育成記録

お誕生日でした。Ｆ ページ50

収録を終えて、帰れたのは日付も変わった深夜。

実家に預けてたたいしゅけを迎えに来たけど、当然ながら夢の中だし、前日から預けてたから丸一日会えてない。

すやすやと寝息をたてるたいしゅけを起こそうとする母親を止めれば、頼まれたんだと言われた。

た「んうぅ…」

起き上がり眠たそうに目をこするから、そっと撫でてあげると嬉しそうに見上げてきた。

藤「ただいま。ごめんね、遅くなって」

た「おかえりぃ。あのね、ぷぇぜんとあるの」

プレゼント？

抱っこしたたいしゅけに促されるまま移動したのはキッチン。

冷蔵庫を開ければ、中には白い箱がちょこんと置かれていた。

その箱に描かれているロゴに、もしやと思いながら取り出して開けてみると、以前食べてみたいと言っていたケーキが入っていた。

た「大きいの欲しかったけど、なかったの」

しゅんとしているけど、雑誌にも載って人気のケーキだから、買えたことがすごい。

藤「わざわざ買ってくれたんだ、ありがとう」

た「しゅけがおしごとしてかったんだよ」

藤「仕事？」

た「ゆーすけのかたふみのおしごとしたの！」

藤「かたふみ？」

藤母「あのね…」

俺へのプレゼントにケーキを買いたい、それも自分のお金で。

でも持ってないと泣きそうなたいしゅけに、弟が一芝居うってくれたそうだ。

大袈裟に肩が痛いと倒れこみ、「今すぐマッサージしないとっ、でもお店に行く時間がない、誰かっ、マッサージをしてくれぇ！」と叫んだらしい。

そんな演技でも、たいしゅけは信じちゃうんだよな。

弟に肩揉みならぬ、肩踏みをしてあげた結果、マッサージのお仕事してくれたからと「おきゅうりょう」を貰ったんだって。


た『これケーキかえる？』


キラキラした目で見上げるたいしゅけを、マッサージの店に行く時間がなかったはずの弟が、買いに連れて行ってくれたそうだ(笑)

数字のローソクも準備してくれてたから、遅い時間だけど特別ってことで。

ハッピーバースデーも歌ってくれて、凄く幸せな気持ちになれた。

お祝いはもちろんだけど、俺の為に自分で何かをしたい。

その気持ちと、努力してくれたことがケーキをより美味しく感じさせてくれた。


た「たい、おたんじょうびおめでとぉ♪大好き〜♡」

愛しさが溢れるって、こんな感じなのかな。

小さな体をそっと抱き締める。

こんなにも大きな愛をありがとう。


藤「俺も、しゅけが大好きだよ」






遅ればせながら、太輔さんおめでとうございます。

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