キスと約束 (ページ7)

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7話ページ7

廉「ごめんA、先行っといて。」

A「分かった。」

放課後、先生に呼び出しをくらって部活に遅れると言っていた廉。

仕方なくひとりで部室へ向かう。

目線を下に落として歩いていたからだろうか、

？「うわ！！」

A「あっ！」

廊下の曲がり角で誰かにぶつかってしまった。

？「ごめんなさい！俺、前見てへんくて…。大丈夫ですか？」

A「あ、大丈夫です。こちらこそすみません！」

急いで立ち上がって、すぐさま謝ってくれた彼の顔に視線を上げると…。

A「えっ…！」

廉に、似てる。

すっごいそっくり。

整った顔立ちも、

綺麗な瞳も、

スラッと長い手足も、

どこかチャラそうな雰囲気も、

全部、似てる…。

？「ん？俺、なんかしました？」

ぼーっと顔を見つめられて不審に思ったのか、彼が口を開く。

A「あ、すみません！！何でもないです！」

？「そうっすか、じゃあ、俺はこれで。」

私の横を通り過ぎ、立ち去っていった。

名前、なんて言うのかな？

なんて、知りたくても聞けない。

？「高橋恭平。」

A「え？」

さっきの声が聞こえた気がして後ろを振り向く。

高「俺の名前。聞きたそうやったから。ちなみに1年っす。」

案の定、さっきの彼は私からちょっと離れた位置に立っていた。

A「あ、私はAAです。2年です。」

高「え！2年!?てっきり1年かと思ってました。」

じゃあ、A先輩っすね。

なんて言って無邪気に笑う彼を見て、不覚にも心臓が跳び跳ねた。

A「じ、じゃあ私は高橋くんって呼ぶね！」

高「はい！これからよろしくっす！」

A「よろしくね！あ、私もう行かないと。じゃあまたね高橋くん！」

なんとなく時計に目を落とすと、もう部活が始まる数分前。

小走りで部室に向かいながら、

高橋くんかぁ…。

いい子そうだなぁ。

そして、カッコいいなぁ。

なんか廉みたい(笑)

なんて考えてる自分がいた。