11話 ページ11
A「ただいま〜！」
廉「だから、誰もいないって言っとるやん。」
A「ええのええの！」
あれから、いつもより口数の少ない廉となんとか会話を繋げ、家まで帰ってきた。
これ以上気まずくなるのは嫌だから、
A「私、部屋行くね。勉強してくる。」
早足で階段を上がり、自分の部屋へ駆け込んだ。
はぁ〜。ホントは勉強なんてする気ないけどね。
そのままゆっくりとベッドに横になった。
廉「A。」
A「うわっ、廉。急に入って来ないでよ。」
ノックもせずに入ってきた廉にビックリしながら上半身を起き上がらせる。
A「何？どうしたん？」
廉は黙ってこっちに向かってきて、ベッドの枕側に座った。
廉「…A。」
A「ん？」
名前を呼ばれて素直に廉の方を見ると、
A「んっ…」
いきなり唇が重なった。
何度も角度を変えながら深くなってゆく。
最初は廉のペースに合わせていたけれど、
だんだん息の仕方が分からなくなって苦しくなり、廉の肩を押す。
けど廉も男の子だから、ビクともせずにさらに深くキスを続ける。
A「んっ…はぁ…はぁ…」
やっと数センチだけ唇が離れ、私は肩で呼吸を整える。
けど、まだ唇が離れただけ。
廉の顔は凄く近い距離にある。
恥ずかしくて下を向いていると、
廉「どこ見とんの？俺見ろや。」
そう言われて顎クイされる。
A「…///。廉、キス激しいんだけど///」
廉「知らんわ、そんなん。」
そう言った廉の表情は、
ちょっと怒ったような、照れたような顔。
廉母「ただいま〜！」
急に聞こえた廉ママの声に、私も廉もビクッとし、急いで離れる。
A「お、おかえりなさ〜い！」
恥ずかしさが限界に達した私は部屋を飛び出し、廉ママのもとへ向かう。
廉、あんなに激しいの初めてなんだけど//////
どこで覚えたん、あんなの。
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作者名：西野恭亜 | 作成日時：2018年11月25日 22時
