INNOCENT DAYS

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「今日電話したし、話がしたいってメッセージ入れたのに。」



「え………？」



二階堂君が急にそう言うから、慌ててスマホを確認してみる。



ホントだ…。



「ゴメン…なさい。今日、さっきまで木崎さんと食事してて…気付かなかった。」



今日の出来事が蘇ってきて、またちょっと複雑な気持ちになる。



「木崎さん……か。」



「………………。」




二階堂君が私の顔をちらって見て言う。



「じゃあさ…とりあえず俺とも今度ご飯、行こ？」



「えっ…？とりあえず…って。」



急な誘いにドギマギしてしまう。



「ね、ご褒美………ちょうだい？俺、頑張ったでしょ？」



「ご褒美って…。」



急にまた子犬みたいな表情になって、そんな風に言われて何も言い返せない。



「いつがいい？」



「え、ちょっと待って…。私、行くって返事してないのに。」



「じゃ、明日は？」



「は？」



私の言葉を聞いてる?



強引に話進め過ぎだし、明日って…いくら何でも急すぎ。



それなのにダメだって思いながら、断るための決定的な言葉が出てこないし、なんなら“明日は、夜なら空いてるな”って頭の中で考えちゃった自分が嫌だ。




「俺明日オフだから、何時でもいいし……それ過ぎるとまた忙しくなるし、明日…ダメ？」



子犬みたいな目でそう言ってくる二階堂君は、絶対確信犯なんじゃないかと思う。



カッコよかったり、可愛かったり…どうしてこんなにコロコロと表情が変わるんだろ。



その一つ一つに惹きつけられて、ダメって思う気持ちと裏腹に…その目をそらせなくなる。



「……………夜なら……大丈夫。」



だから結局、そう言ってしまう。



すると「やった！」って、二階堂君があんまりにも無邪気に笑うから。



なんかつられて私も笑ってしまった。



「………Aちゃん、やっと笑ってくれた。」



「……………///。」







二階堂君って、やっぱり人の気持ちの変化に敏感な人なんだと思う。



そういう繊細で純粋なところとか……会う度にいろんな姿を見て、どんどん惹かれてしまう。



だから………もう会わない方がいい。



そう思うのに。




「今日、Aちゃんと次の約束できなかったら、このまま拉致っちゃうところだった(笑)」



「もう…何言ってるの？」





子供みたいに無邪気だったり、急に大人な表情を見せたり。



そんな二階堂君に惹きつけられて、気持ちをうまくコントロールできない…。




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