天使の粉雪～nika～ (ページ15)

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episode15 ページ15

あのあと
滞りなくもなく打ち合わせが終わり

只今の時刻
17時。

久しぶりの定時時刻に仕事が終わった俺。

こんなチャンス
今逃したらまたいつくるか分からないからそそくさと帰る準備をし始めた。

ミツに

『久しぶりに飲みに行こうよ。』
って誘われたけど

『ごめん‼俺、今日は、大人しく帰るわ…。』

って断った。

すっごく寂しそうにしてて
申し訳ないなって思ったけど

すぐに千賀を捕まえて

有無も言わずに2人で会社を出て飲みに行く姿をみてホッとしつつ
2人の後ろ姿に手を軽く合わして

『ごめん』

って心の中で謝り
俺も2人の後にオフィスを出た。

この時期

夕方になると肌寒く感じ
エレベター待ちの俺は
着ていたコートの襟を少し立てて夕御飯のメニューを考える。

「久しぶりに鍋でもしよう。」

案外、早く決まった俺の夕御飯のメニュー。

ﾁｰﾝ。

それと同時に
エレベターに乗り込んで
1階のボタンと閉めるのボタンを押そうとした時

A「ちょっと待って‼」
って慌てて走ってくるA。

俺は
その声に気づき
閉めるのボタンから開けるのボタンを押し
Aの事をエレベターの中に入れてあげた。

A「すみません‼」

走ってきたせいか少し息がきれぎみ。

乱れた髪や服装を直しながら俺に謝った。

「今、終わり？」

A「はい。久しぶりにこの時間に帰れるんでゆっくりしようかなぁって。」

「俺も。ミツに誘われたけど。」

A「断ったんですか？」

「うん。ゆっくりしたいっ思ったから。」

A「二階堂さんもお疲れですね。」

「原田さんもでしょ？」

A「まぁ…。(笑)」

そのあともたわいもない話をしていた。

「ねぇ、夕御飯鍋しようと思ってたんだ。一緒にどう？」

A「えっ？一人で鍋しようとしてたんですか？」

「ダメ？」

A「ダメじゃないけど…。北山さんの誘い断って一人で鍋って…。」

どうせさみしい奴って思ったんだろ？

「イヤならいいよ。無理に誘ってわる・・・。」

A「誰もイヤって言ってないじゃないですか‼」

「食べたいの？鍋。」

Aに
少しイジワル気味にたずねるとｺｸﾝッと頷いたあと
ｸﾞｰｯて勢いよくAのお腹の音が聞こえてきた。

「ｸｸｸッ…。鍋食べたいんなら買い出し付き合ってね(笑)」

A「///。」ｺｸﾝッ

俺達は
1階に到着して会社を後にしAのお腹の虫がまた鳴らないうちにスーパーへと急いだ。