#決断 ページ7
．
em「 申し遅れました、私、エーミールと申します。 」
「 あ…えと、 」
そう言って
握手を求める手に
少女は戸惑っているようだ。
『 こうすればええねん。 』
そう言って
少女の腕を掴んで
エーミールと握手させた。
『 挨拶の一環やで。よろしくって意味の。 』
「 …よろしく、お願いします。 」
em「 はい、こちらこそ。 」
お互い、挨拶を済ます。
他は相変わらず、
内ゲバで言い合いが止まらない。
ほんまうるさい奴らやな。
対してこちらは真逆だ。
静かすぎるくらい。
em「 今貴方が持っている知識を存分に使ってください。今後の運命を左右するものですから。 」
『 せやな、君はまだ若い。これからいろんなものを見て知って、楽しいことだけではないかもしらんけど、たくさん学ぶことができる。ただし、背中に背負うその過去は一生付き纏うもんや。その呪縛からは絶対に逃げられへん。 』
可能性は無限大
よく聞く言葉だ。
ただし、
私や少女のように
重い過去を背負う人間にとっての
可能性というものは
あの焼印によって半減する。
生きるも死ぬも50%
これを変えられるのは
自分の力だけ。
「 …あ、あの！ 」
彼女の声に気づいたのか、
場は静まり返る。
そして
彼女は決断する。
gr「 決まったか。では、お前の決断を聞こう。 」
「 私は…生きていろんな世界を見たい、です。 」
gr「 …うむ、いいだろう。 」
彼女は言った。
生きたいと。
私とは
真逆の選択をした。
３日後に
他国を行き来する
兄さんが帰ってくる。
少女は兄さんの部隊と共に
いろんな国を回ることになった。
それまでの３日間は
我々国の軍隊で訓練を受けることになった。
少女の人生は
まだ長い。
．
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作者名：＊＊＊
| 作成日時：2019年10月29日 1時
