私の日常２【wrwrd!】 (ページ50)

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#夜空の下ページ50

．

『 …平和やな。』

夜、

全ての業務を終え

いつもきっちり括られた髪をほどき

いつも履いてる手袋も脱いで

きついネクタイも緩める。

普段、自分からは買わない

煙草を片手に

城の屋上へ出た。

下を覗けば城下町が見える。

夜の遅い時間のため

民家が集う場所で

外を出歩く人は少ない。

それとは逆に

夜の町、酒場周辺は

盛り上がっているようだ。

上を向けば空に雲ひとつなく

月や星が綺麗に見える。

「ここに居たか。」

聞き慣れた声に気づき

振り返る。

『グルさん、こんな所で珍しい。』

gr「それは、こっちの台詞やな。それに煙草、辞めたんじゃなかったのか？」

『 …そういう気分なの。』

gr「そうか。」

『 …。』

gr「 …。」

沈黙。

しかし

別に苦ではない。

長い付き合いだからだろうか。

いや、

元々、私達は二人でいるときに

会話の多いタイプではないからだろう。

ふと

視線を感じて振り向くと

紅い瞳がこちらを見ていた。

お互い

何も言わずに見つめ合う。

すると突然

gr「 A、お前は綺麗だ。」

『は…？、何、急に。大先生みたいなこと言って。あんさん生きてる女に興味無いんちゃうん。』

gr「無い。が、言えるときに言っておかなければいけないと思った。」

『変なの。明日雨でも降るんちゃう？』

gr「 …かもしれんな。しかし、偽りなど無い。お前は綺麗だ。」

そう言って

私の手の甲にキスを落として

屋上を後にしたグルッペン。

残された私。

彼の言葉と動作の

意図は汲めなかったが

彼から発された
“ 綺麗だ ”というあの言葉は

後にも先にも

これが最後だろう。

『 …なんや、』

？「動くな。」

突然

後頭部に向けられた銃口。

声の主の言うことは

聞いた方が吉だと直感が言う。

『 …誰や？』

？「お前がAだな？」

『先にこっちの質問に答えてくれへんと。』

？「申し訳ないが、その命、一度預からせてもらう。」

『預かる…？何の話、』

しまった、

そう思ったときには

時すでに遅し。

相手の顔だけでも、

そう思ったが

顔を見る前に

私は意識を手放した。

gr「すまん、言い忘れていたことが…、A…？」

彼女がいたはずの場所にいたのは

彼女ではなく

彼女が吸っていたはずの

煙草だけ__________

To be continued.