城を抜け出そう - 12 ページ19
Jongdae side
『 やっぱり、吸血鬼だったんだね。 』
「 え? 」
困った顔。
やっぱり。
あの後、一通りの出来事を
彼女の記憶の中から
ルハンさんに消してもらった。
1週間。
彼女の記憶は空白だ。
昨日のことも、一昨日のことも、
ここ1週間のことはきっと
思い出せる日はないだろう。
ただ、俺たちは、散歩に出かけて
そのまま何も起こらず帰ってきた。
その記憶だけが彼女には残っている。
そして
魔女であるセラの記憶は
この国の民からも抜き取って
城の地下牢に閉じ込めている。
いずれ、姿が消えるだろう。
『 隠す必要なんてない。俺は、知ってたよ。最初から。 』
「 …まあ、バレるよね。 」
『 え、あ、うん。 』
あれ、なんか想像と違う反応。
「 最初から、何を知ってたの?吸血鬼だってこと?それだけ? 」
『 あ、え?他に何か隠してることあったの? 』
「 記憶、消えてないよ。 」
『 …え? 』
『 人間じゃないやつに人間の繰り出す魔法がきくわけないでしょ。こんなこと言ったら殺されそうだけど、ルハンさんもまだまだだね。 」
ええええええ!!!!!??
ルハニヒョン…
無駄な魔力消費じゃん…。
「 そもそも、私の記憶をいじろうなら、人間の魔力は全部なくなるわよ。私は人間だったらジョンデと同じ歳に見えるけど、実際は200年以上生きてるし。 」
『 ええっ!? 』
「 何も知らないのね、私のこと。 」
『 だってさっき…、 』
「 確かに、一瞬記憶は消えたけど、すぐに蘇ってきた。私の記憶を1週間消したかったら10年分は消さないと消えないよ。 」
『 そんなことしたらルハニヒョン死んじゃう。 』
「 はは、本当だね。 」
あ、笑ってる。
なんか
Aが笑ってるところ
あんまり見たことなかったかも。
こうやって笑うと
Aも普通の女の子なんだなー。
まあ、200歳以上年上だけど。
「 さてと、行くかなー。 」
『 行くって、どこに? 』
「 さあ?誰かさんの日課の時間なんだけど、今日は行かないのかしら? 」
あ、散歩。
時間まで覚えてたのか。
『 今日は、行きたいところがあるんだ、付いてきてくれる? 』
「 もちろん。 」
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作者名:*** | 作成日時:2018年2月13日 0時