今日で最期 (ページ7)

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ハッとして顔を上げた。つい勢いで言ってしまった。
目を丸くしたうらたはベッドのそばで立ち尽くしていた。

「あ、いやその、」

「…まぁ、あんな居なくなり方したら俺のことも嫌になるよな」

「え…？」

うらたは私に背を向けると、部屋の窓をそっと開けた。
夜風がこのじめっとした部屋に心地よく吹いた。
外の星はキラキラと光っている。3つ4つ一際輝く星があった。

本当は離れて欲しくないのに。もう、どこにも行かないで。ただ、そう願うしかなかった。
もう一度振り返ってうらたが言う。

「…毎年この日に化けて出てきてたんだよ。この部屋に。でもいつも誰もいなくてさ。だから期待してなかったのに今年はお前がいたから少し嬉しくなってた。ごめんな。…Aの気持ちも考えずに」

うらたの目はあの星のようにキラキラと潤んでいるように見えた。
窓に向かって1本歩き出してしまう。

嫌だ、行かないで。
まだ行かないで。
できることならずっと傍に居たい。

「…A？」