再会 ページ5
床に就いたのは日付が変わってすぐだった。
外に街灯が無い分、東京より暗くなるのが早い気がする。
……なんだか眠れないな。
今日は命日だ。
あの日のことを思い出したら、私がここですやすや眠るのはなんだか申し訳ない気持ちになる。
それだけじゃない。なんだか今日という一日が特別すぎて、一分一秒を無駄にしたくない。
思考を廻らせれば廻らせるほど、目がどんどん冴えていってしまう。
午前2時頃、ゴロゴロ寝返りをうっていたとき、部屋の窓がガタガタと鳴った。
はじめは風かなにかかと思っていたが、尋常ではないほど音を立てる窓に不信感を抱いた。
下の階からは足音がする。
お母さんかお父さんが起きて、歩いていることを願うが、最悪の結末、私の部屋に向かい階段をゆっくり登る音が聞こえてきた。
何かがくる。
私はそう1人悟った。
揺れる窓、ペチャペチャと鳴る足音、そして動かなくなる体。
あぁ、私ついに霊に捕まってしまったんだ。
なのになぜか私は妙に落ち着いていた。
この霊はひょっとして"あいつ"なんじゃ。と思っているから。
そう思うとなんだか暖かい感じがした。自分が気持ち悪く思えたが。
カチャリと、扉が開く音がした。
すぐそばまで来ている。体の感覚は無いのに、少し強ばるような感じがした。
鼓動が早まる。
少し怖い。
でも、もうあんな思いしないでいいなら、このまま死んでしまっても……
「……あれ?」
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翼 - この作品を読んで思わず泣いてしまいました 。😢とても素敵な作品ですね。この作品がとても好きになりました! (3月5日 20時) (レス) id: f515e19b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むん | 作成日時:2023年8月14日 0時