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今日は家に着いた時間もさほど早くなかったため、部屋で昔集めていた漫画を読んだりしていたら、いつの間にか夕方になっていた。
下からはトントンとテンポよく何かを切る音が聞こえる。それと、お父さんの大きなテレビの音。
なんだか高校生の時に戻ったみたいだった。街並みもさほど変わらないし、少し歳をとったように見える親の顔もなんだか安心する。
何も変わらなければ私はずっとここに居たのかな。
ここにとどまって、ここで結婚して、子供も産んで、いい暮らしをしてたのかな。
都会はとにかく疲れる。
周りに合わせてばかりで、自分がなにか分からなくなる。
けど、ここにいても私は苦しくなるだけだった。
……変わってしまったんだ。
たった一人の人間のせいで。私は私らしく生きれなくなった。というよりも生きていいのか分からなくなってしまった。
あいつが居なくなった後の1年はずっとムッとしていたようだった。
不満でしかなかった。
なんで奪われるのは私の大切なものだったんだろうと。
こんな可愛くない私、見せたくないよ。
せめて、最後に会えたらもっと素直になれたのに。
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翼 - この作品を読んで思わず泣いてしまいました 。😢とても素敵な作品ですね。この作品がとても好きになりました! (3月5日 20時) (レス) id: f515e19b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むん | 作成日時:2023年8月14日 0時