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「私に!幽霊になって欲しくないんだったら、うらた触れちゃダメじゃん!」

「ごめんごめん」

「なんでよ!」

泣き止まない私。いずれも私の手をしっかり握り続けるうらた。

「離れたくないよ!もう!」


人通りのない道で、大泣きする。
見かねたうらたは私を勢いよく抱きしめた。


「……Aに触るのは、もうこれで最後にする」

「……え」

「だから、俺のことはもう忘れて。今日で。」

「無理だよ…」

「無理じゃない。死んだ俺のことは忘れて、いつか、この先Aは他の奴と幸せになれ」

「…他の人?」


私の呟いた言葉は誰かに吸い込まれることなく、つっかえた。
しんと静まり返った雰囲気に、高まった自分からまたいつもの自分にすーっと戻る感覚がした。

ふと地面を見ると、影は私一人のものしか無かった。
もう、諦めるしかないような気がした。

時期にうらたも私から離れた。
うらたは宣言通り、もう私に触れてこなかった。


「……いつまでも好きじゃいけないの」

「ダメ。今日で終わり。」


心が締め付けられるほど切なかった。
でも、もう泣けない。これ以上時間を無駄にしちゃいけない。
最後なら、忘れなきゃいけないなら、もう二人の時間を、噛み締めなきゃいけない。


「Aが持ってる写真、ぐちゃぐちゃ。俺のと替えてやるよ。」

「…ありがと」


お互いの写真を交換した時、ふわっと夏の風が吹いた。生暖かいのに、どこか涼しい。

私の涙を吹き飛ばし、まさに切り替えろと言われてるみたいだった。


「…時間的にも最後かもな。俺たちの縁がある場所に行けるのも」

「そうだね。」


私はうらたの隣を歩いた。
この道の先は、うらたの家しかない。
最後はあそこなんだ。

詰め込んだ思い出→←涙



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設定タグ:浦島坂田船 , うらたぬき , usss   
作品ジャンル:恋愛
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- この作品を読んで思わず泣いてしまいました 。😢とても素敵な作品ですね。この作品がとても好きになりました! (3月5日 20時) (レス) id: f515e19b61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むん | 作成日時:2023年8月14日 0時

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