今日で最期 (ページ19)

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真実ページ19

「いい写真撮れてそー」

「雰囲気だけで言ったら最高だからねここ」

「現像してもらいに行こうぜ。」

「あの例の写真屋さん？」

「そう、でも俺が言っても他の人たちは見えないから、Aが行って」

「……まって、私が行くってさ、」

「うん」

「私しか写ってない写真を、私が現像して貰いに行くんだよね。」

「そうだけど」

「しかも2枚も。」

「俺とAの分な」

「恥ずかしすぎるでしょ！！嫌だ！！行きたくない！」

「別にそんなこと気にすんなよ！」

私以上にムスッとぶすくれるうらた。
そんなに現像して欲しいかと思うと、ここまで嫌がる気も引ける。

「…わ、わかったよ」

「まじ！！」

「頼んでおいてそんなに驚くの……」

「よっしゃ！じゃあ、あの写真屋で現像してきて」

そう渡された小さなインスタントカメラ。
やっぱり私しか写ってない写真を自分で持っていくのは癪だけど…

「じゃあ、俺ここで待ってるから」

「わかった、写真出来たらここに戻ってくる」

そう言ってうらたに背を向け、写真屋さんの方へ向かう。

ひまわり畑から1度離れると、目の前は道路。普通の世界が広がっていた。
…普通だと感じるのは、うらたと離れたからだろうか。

うらたといるこの時間、間違いなく私の中で特別になっている。今日だけ。終わってしまうこの時間が惜しかった。一人でいるのがもったいない。早く現像してうらたの所に戻ろう。

小さな写真屋さんの、趣のあるドアを押した。