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向日葵 ページ16

「じゃあ、次はひまわりの所いくか」

「ひまわりの所、懐かし…」


ひまわり畑、私たちはそこを"ひまわりの所"と呼んでいる。
ひまわりの所は私たちの待ち合わせ場所だった。

あそこで、毎年夏になると写真を撮って、成長記録のように残していた。

うらたと撮った最後の写真もあのひまわりの所だった。お祭りの日、2人で浴衣を着て撮った。いつもと違う雰囲気のうらたに私はドキドキしっぱなしだった。


その写真は今も、私の実家の部屋の机の上に飾ってある。けど、うらたが死んじゃってからは、それを裏にして倒したまま。

あの写真を見ることが出来なかった。うらたの控えめなピースを見ると、全部を思い出して辛くなる。


「最後に撮ったあの写真、あれ、今でも俺の机の上にあるらしいよ。」

「…へぇ、そうなんだ」

「Aは?」

「私…? ……私も写真立てに入れて飾ってあるよ」

「うそつけ」

「別に嘘じゃない」

「じゃあ、飾ってあるってのが嘘だな」


……うらたはしっかり見てたんだ。

そうだよね。私がいない間も、私の部屋に化けて出てたんだもん。知ってるよね。
…私が思い出をなかったことにしてること。


「うらたの顔見ると苦しかったの。死んじゃったことが認められなくて、…認めたくなくて。でもこんな幽霊として出てきたら認めざるを得ないよね」


私がそう小さく本音を言うと、そっと隣に並んでくれた。

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設定タグ:浦島坂田船 , うらたぬき , usss   
作品ジャンル:恋愛
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- この作品を読んで思わず泣いてしまいました 。😢とても素敵な作品ですね。この作品がとても好きになりました! (3月5日 20時) (レス) id: f515e19b61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むん | 作成日時:2023年8月14日 0時

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