キライだなんて言わせない。

６.Ｋｉ ページ6

Ｔ「俺、宮田んとこ行ってくる。」


そう言って、同じクラスのタマは、隣のＢ組へと入って行く。


「本当、仲良いよな。宮っちとタマ。」


2年になってクラス替えをしちゃったけど、1年の時は、タマと宮っちと三人でよく連んでいた俺たち。


宮田の、


Ｍ『俺だけ仲間外れとか…タマちゃんと離れちゃうなんて…俺、死ぬかもしれないっ‼』


とゆう衝撃的セリフを吐き捨てたのは、つい最近の出来事だ。


それを聞いたタマが、


Ｔ『キモイ‼』


とゆうキツイ一言を残したのも、つい最近の出来事。


…何だかんだ言って、どっちも嬉しそうだったから、あまり心配はしていない。


しかし…、タマがいない今、一人覚悟を決めて教室の前で佇む俺。


始業までまだ、あと20分ある。


…よし、朝のHRは、サボリ決定だ。


これでも一応、サボリなんてするのは初めてなくらい、結構真面目な生徒だと自負してる。


サボりたい理由なんて、ひとつしかない。


ただ、藤ヶ谷に会いたくないだけ。


「…俺も、横尾さんとこ行こ。」


俺の、唯一の癒しの場所。
ソコ目掛けて、踵を返した。


横尾さん、もういるかな？
今日はちょっと早いけど、許してもらお(笑)


いざとなったら、体調悪いって嘘ついて、居座り続けてやる。


それに…、



誰にも言えない、昨日の出来事。
俺の胸の中にだけ仕舞うには、少々重い秘密すぎる。


でも…、


「誰かに話したって藤ヶ谷にバレたら…、めっちゃ怖えーんだけど…、」


居もしない昨日のアイツを思い出して、ビクッと身震いする。


あの笑顔の裏には、正直触れたくないのが俺の感想。


どうか、藤ヶ谷に見つかりませんように。


そう願いながら、ゆっくり目的の場所へと向かった。

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