あなたが部屋着に着替えたら 2

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いい歳してヤキモチもなんもないおもてたけど。


あるねんやっぱ。


大事で、掻っ攫われたりしたなくて。


Aを信用もしとるけど、それとこれとは別やねんな。



はぁ〜。

なさけな。


でも、足掻いてもみっともなくても、絶対離したくないオンナと出会えて。
ほんで、付き合えて。

俺んなかにこんな気持ちがあったゆうことにびっくりして、でも、なんやくすぐったくて、嬉しくて。


生きててよかったって、ほんまに、冗談抜きに思った。









しばらくして、またAがぼんやり目ぇあけた。


「どや？

だいじょぶか？

なんかして欲しいことあるか？


欲しいもん、ないか？」


オノレから出た声が、引くほど甘くて苦笑い。


でも、好きな女に甘なるのは、もうしゃーないとおもう。

なんちゅーても好きやねん。

当たり前や。





「まだ寝とき！

寝とかな治らんで？」

って水分取らせてまた着替えさせてベッドに寝かし直したら、
迷わず隣潜り込んだ。



「移るでしょ！」


って、いつものAならそうやって絶対拒否するねんけど。

俺の喉を自分の喉以上に気遣ってくれるヤツやけど。


熱っちゅーもんはやっぱり判断力も落ちるんか、


へにゃって頼りなく微笑んだら、軽く俺の羽織に着てたシャツ掴んでまた寝た。


肘ついて、寝てるA眺める。

心なしかさっきより顔マシになった気ぃして、
「ほれ見！俺がおるからやろ？」
ってドヤ顔したなるけど、相手だーれもおらん。


俺と居て、ちょっとは休めてるんかな？


なんだかんだ、やっぱり無理ばっかさせてるんと違うやろか？

さっきの余韻なんか、そんなことしか思いつかへん俺の頭。



なんに気ぃつこてるんか、シャツ握る手が遠慮してるように見えんのも癪にさわって、その手外したら俺の腰に回させて、俺もAの体ごと包み込んだ。


ちっさい俺の身体でも、すっぽり包み込める小さなA。

可愛いな。

こんなちっさい背中に、たくさん背負ってんねやろな。


俺の前でだけ、泣いて欲しい。


そのかわり、俺の前で倍ぐらい笑って欲しい。

ずっと、居たるから。

カナシイも、タノシイも、
ウレシイも、クルシイも、
キモチイも、オイシイも。

コイツに起こりうる感情の全てを、全部俺ん前でだけ出してて欲しい。



なんもでけへんけど、ず〜っと、一緒に居たるから。


なんやあるなら、俺も一緒に考えるから。


ほんまに。

俺に預けてくれへんやろか？

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