ラナンキュラス 【ym×in】

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やまだにお出かけに誘われて。


最初デートとか言うからちょっとなんか恥ずかしくなっちゃって。


照れ隠しに


"楽しませてくれるならいいよ"


なんて。



…おれ、可愛くねえなあ



よくこんなんでやまだはおれのこと好きって言ってくれるよな、






もうそれからはやまだが若干うわの空で。笑


出してくれたサントノーレを食べ終えて今日は帰ることにした。

明日も仕事だしね。






「またのお越し、お待ちしております」






そう言われて店を出た。


…はずだったんだけど。






「伊野尾くん！！！」


「ほぇ？」





…高木？

後ろから走って追っかけてきたみたい。

おれ、ちゃんとお金払ったよね？

なんか忘れ物でもしたっけ？

ぐるぐる考えるけど思い浮かばない、


そうしてるうちに高木がおれに追いついた。





「どしたの、たかぎ。」


「たかき、ね。

あのさ、伊野尾くん。」


「ん？」






走ってきたからか息が乱れてる高木。

ふぅ、と深呼吸をしてからもう一度おれの方をみて、何やら真剣な顔をして話し出した






「あのね。

山田、すげえいい奴だから。

ちょっと突っ走っちゃう部分もあるし、夢中になるととことん夢中になるけど。

でもあいつ、本当に本当に伊野尾くんのこと好きだから。

付き合ってくれなんて言わないけどこれからも仲良くしてやって？」





……なんて。

高木、本当にいい奴か。





「大丈夫だよ。



ほら、おれってこんな容姿してるじゃん？

だから男に告白されるのはぶっちゃけもう慣れちゃってるんだよね。

でも、自分でもわかんないけど、なんかやまだは違って。

今まで告白されてもなんも思わないし、嬉しいともあんまり思えなかった。

けどなんか、やまだに告白されたら嬉しくて、全然気持ち悪くなくて。




だからね、大丈夫

おれも、恋愛感情ではないからやまだとは違うけど、やまだのことすきだから。」





そう言うと、さっきまでの真剣な顔も崩れて嬉しそうに笑う高木。





「よかったぁ。

じゃ、俺、まだバイト中だから！

またね伊野尾くん、店で待ってる！

あ、山田とのデート楽しんでね笑」






そう言い残して走り去って言った。


……ばかじゃないの、ほんと


デートじゃないって。



高木にデートなんて言われて自分の頬が少しだけまた染まったのは俺だけの秘密。






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