君の涙のその先を。（bl）

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歌が得意な子、ダンスが得意な子。先輩後輩、周りを取り囲む大人。

色々な人と関わることで、世界を広げてほしいって。

ただ、父親を納得させるには成績を落とさないことは必須だったから勉強も手を抜かない。

そうやって毎日ひたすら頑張ってSnowManのみんなに出会えたんだ。

ーーーそして、いつからか、何かが崩れていく音がした。

俺は佐久間みたいにダイナミックなアクロバットやダンスは出来ないし、翔太みたいに歌が上手いわけでもない。ふっかのように仕切りや周りとのコミュニケーションがうまくないし、舘様みたいに歌もダンスもできるオールラウンダーになれていない。照みたいに軽やかなダンスは踊れないしダンスの振り付けを考えたりもできない。

その分SnowManの名前を広められるように勉強を頑張ってクイズ番組に出て。もちろん足を引っ張らないためにアクロバットやダンスもひたすら復習して体に叩き込む。

もっと、もっとできるようにならないと。

そう思ってるのに、身体は言うことを聞いてくれなくて。次第に食欲がわかなくなった。眠れなくなった。体が重くなった。

でも、頼ることや甘えることが苦手で。

いや、むしろこんな俺が弱音を吐いちゃだめだ。でもしんどい、頑張ってるって認めてほしい。まだダメかな、どこまでやればいい。

ぐちゃぐちゃだった。

ーーーそんなとき。

sk「阿部ちゃん？！」

iw「阿部！阿部、俺の声分かる？」

稽古中、ぐらっと目の前の景色が歪んで立っていられなくなった。

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