君の涙のその先を。（bl）

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目がまわる、怠い、気持ち悪い。

暑いのか寒いのか分からない。息が苦しい。

そう言えばいいのに、頭に父親の声が過ぎる。弱音を吐くな、頼るな。

もう、どうすればいいのか分からなくて。助けての一言が、言えなくて。

sk「阿部ちゃん、どこが苦しい？痛い？わ、熱あるじゃん」

「や、だ、いじょ・・・ぶ」

dt「そんなわけないだろ、強がるなって。吐きそうとかある？」

いつも穏やかな舘様が険しい顔になる。

「ぇ、あ、っ・・・あ、ごめ、めいわく」

fk「阿部ちゃん、ゆっくり息して。迷惑じゃないし怒ってないよ」

目の前がぼやける。ふんわり何かに包まれた感じがした。

ふっか・・・？頭がぼうっとして何も考えられない。

nb「阿部、最近調子悪そうだと思ってたけど。こんなになるまで溜め込むなよ」

dt「阿部のことだから、言えなかったんでしょ。抱え込むタイプだし。でも、言いたくても言えない、って感じがした」

fk「・・・阿部の親父が昔から厳しかったって前に聞いたことある。何か関係あるのかも」

iw「俺たち仲間じゃん。辛いときは頼れよ。こんなになるまで黙って一人で耐えようとすんな」

sk「じゃあ教えてあげないとね。しんどかったら俺たちにはSOSを出すようにって」

ーーーそして後日体調が戻ったあと、みんなからしんどくなった時は必ず相談するようにと言われた。

でも、どの程度の辛さで頼っていいのか、とか。これは甘えになるんじゃないか、とか。

頼り方が分からなくて。

それから体調を崩すと、みんなから「辛くなったらこうやって俺たちのそばにきて。何も言わなくていいから、隣にきて」と何度も何度も言われ続けた。

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