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とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.Final ページ33

『……ちゃん……椿お兄ちゃん!!』


「!!!」


ハッ、と意識が覚醒する。


顔を上げると、目の前には、Aの顔。


『あははっ、やぁっと起きたー』


…どうやら、寝てたっぽい。


「……夢、だったのか」


懐かしい。


そして、その後に後悔の波がドォッと押し寄せてきた。


「…啓介……桔梗……」


ポツリ、と二人の名前を声に出してみる。


『……私のお父さんとお母さんの夢でも見たの?』


見透かしたようにAが問いかけてくる。


「ん、まぁ、そんな感じかな」


『……そっか!』


今、Aは16歳。


今じゃ桔梗と啓介の後を継いで、立派な喫茶店経営者だ。


………月日がたつのは速いなあ


あの頃の記憶も思い出して、それでも、ちゃんと前を向いて生きている。


そういう所が桔梗にそっくりだなぁ、と思ったり。


………ねぇ、桔梗、啓介


君らと約束した事なんだけどさ。


Aは大丈夫だよ?


いつも笑顔で、ちゃんと前を向いてる


お兄ちゃんの僕が言うんだから、信じられるでしょ?


『椿お兄ちゃん!』


「はいはい、今起きるよ」


これからも、僕は、僕らは、Aを支えて行くから。


………だから、どうか安心してね。


《椿》


《これからも、Aを頼んだよ》


《Aをよろしく頼むわ》


ふと、そんな声が聞こえた気がした。


「………うん。任せて」


『? 何か言いました』


「いや、何も?」


とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 fin.

明けましておめでとう御座います!!→←とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.11



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(プロフ) - お久しぶりです!!リクエストを書いてもらってありがとうございます!想像以上でした!やっぱり真祖達の動物の姿の時は最高です!また更新待っています! (2017年7月8日 11時) (レス) id: 6e2b18dd13 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ひ、久々の更新待ってました…!!本当に久々なのに文才落ちてないし相変わらずほんわかするし笑うしありのまま(ryの所分かる人にしか分からないネタw あとリリィの「説明(ry」はしましたよねの方が…今のリリィの口調はちょっとおネエさんぽいような…応援してるから! (2017年7月8日 0時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
兎カフェ(プロフ) - 暁さん» 了解しましたー、少々お待ち下さいね!! (2017年7月7日 19時) (レス) id: d68108c602 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 初コメ失礼します!リクエストって大丈夫でしょうか?夢主ちゃんがみんなの動物姿に気づいて可愛がるというものです。ダメでしょうか? (2017年5月23日 18時) (レス) id: 6e2b18dd13 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ぜ、全然大丈夫だよ?だって兎カフェちゃんも忙しいでしょ?しょうがないって!うん、ずっと、完結するまで……いや、完結したあとも応援してる! (2016年10月15日 9時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:兎カフェ | 作者ホームページ:   
作成日時:2015年9月9日 21時

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