とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.8 ページ29
Aside
今日は、晴れ。
ひさしぶりにおとうさんといっしょにあそんでるの!
いつもはおとうさんはあそべないから、とってもうれしいんだ!
『おとーさん!』
「……ん、なんだい、A」
『ふふ、じゃあーん!』
「…花冠かな?」
『うんっ、おとーさんにあげる!』
「有難う」
『どーいたしまして!』
そんなとき、うしろから音がした。
つばきおにいちゃんかな?
『つばきおにいちゃ………だぁれ…?』
ふりかえると、しらないひと。
「いらっしゃいませ。お客様でしょうか?」
おとうさんがたってそういった。
「……んー、ちょっと違う、かな。」
そのひとはわたしにちかづいて……
「ちょっと、この子に……用があるんだよね」
と、わらった。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
椿side
「…!」
「? 若、どうされましたか?」
「……なんか、嫌な予感がする。ちょっと出かける!!!」
「あ、つばきゅん!?」
なんだろう、この嫌な感じ
背中に冷や汗が伝う。
Aが危ない、と本能で感じ取っていた。
……嫌だ。
また、大切なモノを失うなんてごめんだよ……!
今度こそ、守らないと!
「Aっ……」
僕は、都会の屋根を全速力で飛び越えた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊
森の中の道。
店に近くなるのつれ、嫌な予感が大きくなる。
「……さいっ……は……」
「うる……コイツ……いなけ……」
聞いた事のある声だ。
一人はAの父である啓介、もう一人は……僕の、下位吸血鬼?
なんで…?
『……たすけてっ…』
Aの悲痛な声が聞こえた。
「Aっっ!!!!」
息を切らしながら僕が花畑に飛び込むと、
「……あァ、椿さんじゃないですか」
そこには、僕の下位吸血鬼である『リンドウ』が居た。
……武器の鎌をAを庇うようにした啓介に振り下ろす直前で。
「…その鎌で、何をするつもり」
「椿さんもそんな声出たんですねぇ…はははっ」
僕も正直驚いている。こんな低い声が出るなんてね。
「何って、聞かなくたって分かるでしょう…?」
残虐な笑みを浮かべて、リンドウは言った。
「見てのとおり、彼女に死を、ですよ?」
とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.9→←とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.7
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁(プロフ) - お久しぶりです！！リクエストを書いてもらってありがとうございます！想像以上でした！やっぱり真祖達の動物の姿の時は最高です！また更新待っています！ (2017年7月8日 11時) (
レス) id: 6e2b18dd13 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ひ、久々の更新待ってました…！！本当に久々なのに文才落ちてないし相変わらずほんわかするし笑うしありのまま(ryの所分かる人にしか分からないネタw あとリリィの「説明(ry」はしましたよねの方が…今のリリィの口調はちょっとおネエさんぽいような…応援してるから！ (2017年7月8日 0時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
兎カフェ(プロフ) - 暁さん» 了解しましたー、少々お待ち下さいね!! (2017年7月7日 19時) (レス) id: d68108c602 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 初コメ失礼します！リクエストって大丈夫でしょうか？夢主ちゃんがみんなの動物姿に気づいて可愛がるというものです。ダメでしょうか？ (2017年5月23日 18時) (レス) id: 6e2b18dd13 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ぜ、全然大丈夫だよ？だって兎カフェちゃんも忙しいでしょ？しょうがないって！うん、ずっと、完結するまで……いや、完結したあとも応援してる！ (2016年10月15日 9時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：兎カフェ | 作者ホームページ：
作成日時：2015年9月9日 21時
