とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.6 ページ27
「……ねぇ、シャム」
「どうされましたか?若」
「…君でしょ、時々僕の事つけてるの」
ある日、僕はシャムを呼んで、そう言った。
僕が気づかないと思った?
案の定、シャムは目を見開いた。
「……よくお分かりになりましたね」
「あ、意外とあっさり認めるんだね」←
ちょっとそこは予想外だった←
「若には隠し事無し、と私の中で決めて居ますので」
「あ、やっぱそういう理由?あと若呼びはやめてって言ってるじゃん」←
あ、ダメだもういつもの会話だよコレ←
シリアスどっか吹っ飛んだよ←
「……若は、あの子と居て、とても幸せそうでした」
「…幸せそう?」
「はい」
シャムの言うあの子は、きっとAだろう。
でも、ちょっと『幸せそう』って言うのは解せないなぁ
「……あっは、はははっ、はははははは!!!!あー…面白くない。…ねぇ、シャム。僕は【憂鬱】の吸血鬼だよ?」
「…分かっております。ですが!!「まぁ、確かに」え?」
「Aと一緒に居る時は、確かにここら辺が暖かくなるよ」
これを幸せっていうんでしょ?、と僕が言うと、シャムはコクリと頷いた。
「……あのさ、シャム、君は……」
『僕が戦争を止めたいっていっても、許してくれるかい?』
僕がそう尋ねると、シャムは目を見開いていた。
「…Aと会って気づいたんだ、幸せはこんな近くにあるってさ
ついこの間までは僕は誰も『僕』を理解してくれない、ならこんな世界なんていらない、ってずっと思ってた。
でも、あの喫茶店に入って、Aに会って、桔梗に会って気づいたんだ。
僕の周りには、僕を理解しようとしてくれてる仲間がたくさんいるじゃないか、って」
僕は窓の外を見つめた。
「…よく考えたら、先生はこんな事しても喜ばないし。
何より、僕は、この世界にちょっと愛着が沸いちゃったんだ。
人に、シャム達下位吸血鬼の皆に。
だから、僕は……この戦争を…止めたい。向き合いたいんだ、この世界と」
僕の我侭で始めた戦争なのにね、と付け加える。
「…………ダメ、だよね、はははっ……」
自分自身のこんなにも乾いた笑い声が出た事に驚いた。
なっさけないなぁ、僕は……
とある【憂鬱】だった吸血鬼のお話 Part.7→←Merry Chrismas!!! 〜喫茶Camomileからの特別メニュー〜
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暁(プロフ) - お久しぶりです!!リクエストを書いてもらってありがとうございます!想像以上でした!やっぱり真祖達の動物の姿の時は最高です!また更新待っています! (2017年7月8日 11時) (レス) id: 6e2b18dd13 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ひ、久々の更新待ってました…!!本当に久々なのに文才落ちてないし相変わらずほんわかするし笑うしありのまま(ryの所分かる人にしか分からないネタw あとリリィの「説明(ry」はしましたよねの方が…今のリリィの口調はちょっとおネエさんぽいような…応援してるから! (2017年7月8日 0時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
兎カフェ(プロフ) - 暁さん» 了解しましたー、少々お待ち下さいね!! (2017年7月7日 19時) (レス) id: d68108c602 (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - 初コメ失礼します!リクエストって大丈夫でしょうか?夢主ちゃんがみんなの動物姿に気づいて可愛がるというものです。ダメでしょうか? (2017年5月23日 18時) (レス) id: 6e2b18dd13 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(さくらゆき)(プロフ) - ぜ、全然大丈夫だよ?だって兎カフェちゃんも忙しいでしょ?しょうがないって!うん、ずっと、完結するまで……いや、完結したあとも応援してる! (2016年10月15日 9時) (レス) id: b267acf381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:兎カフェ | 作者ホームページ:
作成日時:2015年9月9日 21時