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+°＿23 ページ24

「それを投げたらどうなるか分かるでしょ？」



装置が壊れ大事故になりかねない。
賢い尊氏くんならそれぐらい分かるはず。



いつも強くて優しい尊氏くんが泣いてしまうほど、物に当たるほど悲しい何かがあったんだろう。
そしてそれは人に言えるものじゃないのかもしれない。



それでも…



「やったらダメなことは、何をどう裏返してもダメなんだよ」



尊氏くんの腕はブランと下りた。
背を向けたままの姿がとても痛々しく見える。



『……っ…』



なんだか居ても立ってもいられなくなって、ダッと駆け寄った。
反射的に背中に抱きついていた。



「あたしがいるよ。もし尊氏くんが何かを失っても、あたしはここにいる」



そんなドラマみたいな台詞どこで覚えたんだろってちょっと自分でも思ったけど。
そう思うんだからしょうがない。



『あり…がとね…っ』



クルッと一回転させられ、正面で向き合う形になった。



『甘えても…いいかな…？』


「いいよ？」


『座って…』



尊氏くんが座り、その間にあたしが座る。
腕が伸びてきてあたしの腰にクルリと巻きつき顔は肩に埋められた。



うーん場所は場所だけど、良い雰囲気。



(( ありがとう。止めてくれて ))



最後に流れてきた声に軽く頭を下げて、そのまま眠ってしまった。

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