僕がもっと-CHANYEOL- (ページ8)

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○僕がもっと８話ページ8

そして何故か…

『行き先はどこまで？』

「あ、〇〇駅でお願いします。」

ぎゅうぎゅう詰めで座るタクシーの中

二人と体が触れて緊張する。
生まれて一度も抱きしめられたこともない私が
突然男性に挟まれてタクシーに乗るなんて
誰が想像しただろうか？

「あ、あの。
お二人は彼女いるんですか？」

『……』

『……』

あぁ。

緊張しすぎて口走ってしまった。

「あ、忘れてください！
何となく聞いただけですので…っ

『いないよ。俺もチャニョルも。
ベクは絶賛片思い中(笑)』

「あ～そうなんですか。」

なんかちょっと、嬉しい。

『あれ、Aさん嬉しそう。(笑)』

「へ！そ、そんなことないです！」

恥ずかしくて一生懸命否定していると
ジョンデさんが言った。

『じゃぁ俺からも質問ね？
3人の中で誰が一番タイプだった？』

ちょっと意地悪な笑顔で私を見つめて
まだかまだかと答えを待ってる彼と
何も言わず静かなチャニョルさん

「それは秘密です。」

『うわ～気になっちゃうじゃん～』

「ふふ。」

『じゃぁさ、』

彼は一瞬だけチャニョルさんを確認して
私の耳に顔を寄せると小さな声で囁いた。

『今度二人で出かけよう。』

その言葉にドキドキが押し寄せて
私の心臓は加速していく。

やだ…

何これ煩い。

「も、もう！からかわないで下さい、」

慌てて体を離すと
ちょうど車が揺れてチャニョルさんに寄りかかってしまった。

「あの、ごめんなさい…っ

ふと顔を見上げると
チャニョルさんは眠っていて
その寝顔は赤ちゃんみたいだった。

「ふふ。見てください。
チャニョルさん眠ってますね。」

話を逸らすにもちょうど良かった。