彼の秘密-SEHUN- (ページ5)

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○彼の秘密５話ページ5

テーブルに並んだ食事

"いただきます"と、
元気に手を合わせて
モグモグと食べるセフン

彼を見ながら思うことは

"お嫁さんになって
毎日美味しいご飯を作ってあげたい。"

そんなこと。

「ねぇセフナ！美味しい？」

『美味しいよ。』

「私の手料理好き？毎日食べたい？」

『もちろん！』

へへって嬉しそうに笑うから、
つい口先が滑ったの。

「じゃぁ結婚する？」

なんて。

本当、軽い冗談…

いや、冗談ではないけど、
私の本心を少し悪戯に伝えただけ。

でも彼は嫌だったみたい。

『そんなこと…簡単に言うもんじゃない。』

急に顔色が変わって、
いつもみたいに"待ってて"って
そうはぐらかされるより
冷たい態度だった。

ー・・ザーッ

食事を終えて
キッチンで洗い物をする私。

さっきの雰囲気から
中々戻らない彼の表情。

私は水を止めた。

「あの、セフン、さっきはごめんね。
いつも待っててって言ってくれるのに
まるで私急かすみたいに…

話の途中で勢いよく立ち上がったと思ったら
後ろからギュッと抱きしめられる体。

「どうしたの？」

『何となく。』

「何となくなの？」

『ううん。嘘。本当は謝りたくて。』

そこから何も言わなくて、
腕に力が加わった。

「セフナ？」って
優しく声をかけると、
安心したのかな。

『ごめんね。突き放すような言い方して。』

ちゃんと謝ってくれた。

『でも誤解しないでほしい。
俺はAと結婚したくないんじゃない。
だから離れていかないで。』

「うん………ちゃんと分かってる。
大丈夫。離れたりなんてしない。」

悪いのは、私の方なのに。