彼の秘密-SEHUN- (ページ17)

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○彼の秘密１７話ページ17

『それでね、僕が起用されたんだ。』

「すごい！公開されたら１番に見る！」

帰ってAに話したら、
すごく喜んでくれて安心した。

『でもね、問題が一つある。』

「なに？」

『恋人役の人がいる。』

本題に触れると
箸を持ったまま固まるA

険しい顔して
自分の中で何かと格闘してる。

『A？』

名前を呼んでも返事がなくて
これは確実に自世界へ迷い込んだな。

『あ、肩に虫だ！』

「ぶっ潰してやる。」

『え、？』

引き戻そうと思って驚かしたのに
返事で逆に脅かされる僕

『あの、虫は嘘…

「もしセフンに本気で手出したら許さない！」

ぶっ潰してやるって
相手役のこと…？

待って、

誰かもわからない相手に
ヤキモチ焼くなんて可愛くない？

僕目移りなんてしないのに。

「セフナ！」

『ん？』

「相手の目、３秒以上見ちゃだめだからね！」

『わかった。』

「甘い誘惑はシャットアウトしなくちゃ。」

僕に言ってるのか、
独りごとなのかはわからないけど
ぶつぶつ呪文を唱えるように気にするAが
僕には可愛くて仕方なかった。

君のほうがよっぽど、
僕には甘い誘惑なんだよ？