彼の秘密-SEHUN- (ページ13)

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○彼の秘密１３話ページ13

嬉しくて、
早く仕事を終えた私は
近所のスーパーに立ち寄った。

彼が好きな料理
ハマってるデザート

色々見てるうちに増えてしまった材料も
彼の為なら一人で持って帰れる。

少し重いけど何のその。

家に着くとまだ帰って来てる様子もなく
私は急いで支度に取り掛かった。

「……よし。出来たっ！」

順調に準備や片付けも終わって
テーブルに並んだたくさんの料理。

あとはセフンを待つだけ。

まだかなまだかな。

最初はワクワクした気持ちで
彼が帰ってくるのを待っていた。

だけど刻々と時間は過ぎていき、
遂に深夜を回ってしまった。

「何かあったのかな……」

携帯を開いても連絡はなく、
電話をかけてみてることに。

ー・・プルル、

何コール目かにやっと繋がった。

「あ、もしもしセフン今ど………

『もしもし』

だけど、聞こえて来た声は
セフンの声ではなかった。

「あの、オセフンの携帯ですよね？」

『すみません。セフンは今……』

「居場所を教えてください。迎えに行きます。」

『住所を送ります。』

相手の声は落ち着いていて
大人の男性を感じさせる声。

一体誰なんだろうか……

あ、もしかして写真の人？

いや、そんなことどうだっていい。

今すぐ迎えに行かなきゃ。

私はタクシーに乗り
やがて送られて来た住所へと向かった。

そこは地下にある薄暗いバーで、
入って直ぐ、
テーブルに潰れた彼を見つけた。

「ちょっ、セフナ！！」

私が駆け寄っていくと
声に反応して起き上がり、
すぐに私の姿を捕らえた。

『A………』

「どうしたの？何があったの？」

『飲み過ぎただけ……』

甘えてるのか分からないけど
子供みたいで、悲しそう。

「お家帰ろ？」

『嫌だ。家は嫌いだ。』

「私も一緒だから。」

『うん……』

動かない彼を何とか持ち上げたいけど
女の力ではどうにもならなくて、
困っていたその瞬間。

「きゃっ、」

腕を引っ張られた私は
大胆にも彼の上にダイブした。

「ちょ、セフナ起き……

『嫌だ。離したくない。』

何があったか分からないけど
私の首にギュっと顔を埋めて
力強く抱きしめる彼が、
力とは反対に弱々しい子供に見えて
放っておくことなんて出来なかった。

一体、何があったの？