○そばにいさせて６話 ページ6
家に着くと小学生の弟が私を待っていた。
『ぬな！おかえりー！』
「ただいまぁチャニ」
玄関に上がるなり腰にギュッと抱きつくと
ニコニコしながら私を見上げる。
『ぬな、いいことでもあったの？』
「なんで？」
『なんだか嬉しそうだからぁ！』
そう言って、教えて教えてとくっ付いてくる弟を可愛いなぁと思いながら、洗面所に向かうと、鏡に映る自分は確かに普段より顔色が良かった。
"また明日ね"というウォヌ君の声がまだ耳に残っているみたい。
『ぬな、何にやけてるのー？』
「んー、秘密！」
『なんでよー！ひみつじゃない！』
弟がしつこく聞いてくるから
"今日はチャニの好きなシチューにしよっか、"
そう言うと聞いてきたことも忘れて、
ご機嫌にお尻を振る姿があまりにも可愛くて、
私の頬は更に緩んだ。
「あれ、牛乳…」
手を洗った後、夕飯の支度をする為に
キッチンに立ったは良いもの、
肝心な物が無いことに気づく。
「チャニ、ちょっと買い物行ってくるね！」
『ぬな、ぼくも行く！』
そう言うと、チャニはお小遣いバックを持って
私の手をギュッと握った。
私は小さな手を握り返し近くのスーパーに行くと
牛乳のついでに軽く買い物をしてくことにした。
『ぬな、あの仮面ライダーのほしい！』
「これから夕飯だよ？」
『明日のおやつにする！』
「もう仕方ないなぁ」
チャニは小さな手でカゴを持ってくれていて、
私は棚の一番上にある商品に手を伸ばす。
だけどあとちょっとが届かない。
一生懸命に爪先立ちをして手を伸ばしたその時、
『はい、』
横からスッと手が伸びて、
欲しかったものをチャニが持つカゴに入れた。
「あ、ありがとうござ…ウォヌ君！」
『よっ、』
振り返ったそこに居た彼はチャニに微笑むと
"ヌナに無茶させちゃだめだぞ！"と弟の髪を撫でた。
『おにいちゃんありがとう！』
「あの、ウォヌ君どうして…」
一人困惑する私に彼は笑いながら答えた。
『夕飯買いに来たらAが見えてさ、
なんか、放っておけなくて』
そう言って頭をかく姿は
恥ずかしさを隠している様に見えた。
「あの、ありがとう。」
『うん、それじゃぁ、』
ぎごちない空気が流れるとチャニは彼を引き止めた。
『おにいちゃん、夜ご飯いっしょにたべる？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 809人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜夏【よるむ】(プロフ) - nagisaさん» 初めましてありがとうございます！なるべくお待たせしないように更新頑張ります！楽しみにしてくださりありがとうございます！ (2019年9月20日 20時) (
レス) id: 45bc967ae3 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ウォヌペンの私にとってはめっちゃキュンキュンする作品です！！これからも更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年9月19日 19時) (レス) id: 0a5fb02e40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しー | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/12-093
作成日時：2019年9月8日 21時
