冨岡先生を押し倒してしまった件について。

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『 先生、お昼それだけなんですか？ 』



先生は静かに頷いた.










ぶどうパンしか食べる様子ないんだけど.








体育の先生なのに意外だ.



食は細そうだとは思ってたけどパン1個だけって…










「 自分で作っているのか 」



ちらりと私の弁当に視線を送る先生.



『 あ、はい. 適当ですけど… 』










「 ………たこさんウィンナー… 」



『 …え？ 』







今、たこさんウィンナーって言った？


いや、言った. 絶対に言った.


小声だったけどハッキリ聞こえた.










冨岡先生の口から「たこさんウィンナー」が
出てくるとは思わなくてちょっとツボなんですけど…



いや、可愛いかよ.



不覚にもきゅんとしてしまった.










『 …食べますか？ たこさんウィンナー 』


「 ……如月が食べないなら 」



あ、食べたいのね.



『 じゃあ、食べないので どうぞ 』





たこさんウィンナーを箸で掴み、先生に差し出す.










あ、しまった.



友達とご飯食べる感覚で差し出してしまった.

いつもおかずの食べさせあいっこしてたから、
そのクセが出てしまった.










そう思っているうちにも、





先生は固定するかのように、箸を持っている方の私の手首を掴んだ.










そして、たこさんウィンナーは冨岡先生の口の中に消えて行った.















いや、なんだ、さっきの構図.










私も無意識でやってしまったけど、

先生はもっと無意識野郎だと思う.












冨岡先生のことだから、
「 自分で食べる 」とか言い出しそうだけど…、















恥ずかしさのあまりその場で爆発するかと思った.










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