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望side
「Aは悪くないで」
「ううん、刺されるまで付き合ってた私もばかだった」
.
やっぱりあれは刺傷やったんか......
刺された時のAを想像してしまって、たまらずAの腕を引き寄せギュッと力に任せて抱きしめた
「....っ苦しいよのんちゃん」
「いやや、絶対離さない」
.
黙りこくったまま、ゆっくり俺の背中に回った手は少し震えてる
「怖かったやろ。痛かったな？」
「.......っ、もうあんな思いするの嫌だ」
「俺がそばにおるから」
「っ、たまに夢に出てくるの....っ」
「大丈夫。電話くれたら3分で駆けつけるよ」
「....無理だよ。だって夜中だもん」
「言ったやろ、そばにおるって。夜中でもAが泣いてたら自転車飛ばして来るから」
「....外、寒いよ？」
「そしたらまたこうやって抱きしめて温まればええやん」
「でも..っ、のんちゃんと私は幼なじみだったってだけでそんな関係じゃ」
「そんなん簡単や。付き合ったらええねん」
「え...？」
「好きやで」
腕の中に閉じ込めてたAがバッと俺の顔を見た
「あ、泣き止んだ」
「だ、だってのんちゃんが変な冗談言うから...」
「冗談ちゃう。本気やで」
「....のんちゃん」
「俺はずっと前からAのこと好きやったけど、Aはちゃうん？」
わざと少しシュンとしてみた
小学生の頃Aが引っ越す直前、友達からAがずっと俺のこと好きやったって聞いたからこれは賭け
今も気持ちが変わってなかったらええな
俺はあの時からずっとAだけ好きやったから他のやつと付き合うなんて考えれんくて、こんな見た目やけど実際誰とも付き合ったことないんやで
一途やろ？
「私は.....、でもこんな気持ち悪い傷がある人嫌でしょ？」
「なんで？これはAのせいちゃうやろ」
「でも.....っん」
でも、でも、と必死に理由を探すAがもどかしくてその口を塞いでやった
それは中学生がするような可愛いキスで、数秒経ったあとゆっくりと離れた
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作者名：よーぐると | 作成日時：2017年12月2日 19時
