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望side
放課後、気まずい雰囲気の中スタスタと先を歩くAの後ろを着いていき約束通り家に入れてくれた
叔母さんと叔父さんは今日も居ないらしい
.
「..........」
「............」
.
制服のスカートをギュッと握り俯いたままのA
こうやって無理に聞くことが正しい事じゃないくらい分かってる
でも、あの傷を見た以上黙ってるわけにはいかないから
「A、俺に全部話して」
「........うん」
「ゆっくりでええから」
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ゆっくりと顔を上げ呼吸を整えると、重い口を開いた
「この間アルバム見た時、一緒に写ってた男の人誰って聞いてきたでしょ..?
あれ、友達じゃなくて元カレ....、なの」
.
脳内によぎるあの日の会話
俺、あの時無神経なこと聞いた...よな
元カレとの写真を聞いた時、Aはどんな思いやったろうか....
きっと辛かったはず
なのに俺.....っ、
今更遅いのに、後悔ばかり溢れてくる
「年上でね、優しくて気遣いもできて、私にはもったいないくらいの人だった。
当時中学生だった私は年上の彼氏が出来たこと皆に言いふらしてたんだ。
でもそれを分かってて告白してくる子もいてね。彼、顔広いからその情報をどこからか耳にして、その日からかな......。
後輩使って私を監視するようになった」
「監視....?」
たかが告白されただけで?
そいつの思考回路どないなってんねん
「私が同級生や先輩後輩関係なく男の子と喋った時には、後輩から彼にすぐ連絡がいくように命令されたみたい。
少しでも話すと放課後家に来いって電話きて、最初は説教から始まっていつの間にか手も出されるようになった。
典型的なDV彼氏だよね」
「すぐに別れなかったん?」
「もちろん別れようとしたけど無理だった。
実は周りから結構忠告されてたんだ。
あいつは嫉妬深いよ。とか、彼女に平気で暴力振るうやつだよって。
付き合いたての頃はそんなの噂程度だって軽く流してたから実際にされた時あんまり驚かなかった。あぁ、噂はほんとだったんだって思ったくらい。
実際優しい所いっぱいあったし、殴ったあとはすぐごめん。って、もうしないから。って謝ってくるから結局許しちゃうんだよね....
私も典型的なDV彼氏の彼女でしょ?」
ふっ、と自嘲するように笑うAになんて声をかければいいのか、言葉が見つからない
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作者名:よーぐると | 作成日時:2017年12月2日 19時