EP.2 再開 ページ2
__それは運命のように思えた。
私は都内の進学校である白宝高校に入学して晴れて一年生となった。
入学式のあとそれぞれの教室に戻る新入生。
割り振られた席に座って担任が来るのをボーっと待っていれば
__ガタン
隣に座った人物を見ればナンパから助けてくれた男の子だった。再度『あの時はありがとう』とお礼をすれば不思議そうにされる。
『名前はなんていうの?私はAA』
「凪誠士郎」
『凪くんね』
凪「あの時って俺たち初対面でしょ?」
どうやら凪くんはこの間のコトを覚えていないみたい。
『店の前でナンパされてる時に彼氏のフリしてもらったじゃん?』
凪「あーそんなコトあったね。そう何度もお礼言わなくて大丈夫だから」
・
・
・
入学式の日は授業がない。ホームルームが終わり担任が出て行った教室はガヤガヤと賑わいを見せていた。
静かな時より今が良いかもしれない。
『ねぇ凪くん』
凪「なにAさん」
『一目惚れしたって言ったらどうする?』
凪「それってさ吊り橋効果ってヤツでしょ」
緊張や恐怖などによってドキドキする気持ちが、一緒にいる人間への恋愛感情によるドキドキ感だと勘違いさせる心理効果のこと。
凪「それに俺のコトを知れば知るほど嫌いになると思う」
『それってどういう意味?』
凪「これから分かるよ」
意味深な言葉を残し凪くんは教室を後にした。
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作者名:まるこめみそ | 作成日時:2024年5月6日 17時