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「か、ねちか先輩の」
「うん？」
「楽しいと思える理由って、なんですか」
兼近先輩の誰よりも優しくて綺麗な目で見つめられて、戸惑うしかない。
クラスにいる女子からしたら卒倒モノなんだろう。
私の目を一頻り見た後に、兼近先輩が口を開いた。
「.....やりたいことがあるからだよ。」
「やりたい、こと」
「将来の夢っていうか、そんな感じのもんがあるから、俺は生きてられるのかもしれないね。」
「将来の夢ですか.....」
考えて見れば、私に将来の夢などというものはなかったかもしれない。
やりたいこと。やりたいこと？楽しみなこと。
いや、ぜんっぜん思いつかん。
「ぜんっぜん思いつきません。」
「あはは、そっかー。全国1位でも勉強は嫌いかー。」
「嫌いです。めっちゃ嫌です。どうしようもなく、ではないですが」
「おもろいなー、やっぱ頭良い子の思考回路って違うよね。賢い人が面白いのと同じでさ」
「.....ありがとうございます」
お礼を言って髪の毛を掬った途端、強風が吹いた。
私の姿勢が傾いて、隣の兼近先輩は手すりを掴む。
あ、死ねるかも、と微かに思った。
最後に話した人が学校のアイドル、しかもその人の素性を知れたっていうならいいかも。
「.....Aちゃん、」
兼近先輩は静かに言う。
「まだ、しなないで」
聴こえない、フリをする。
「俺、もっと、Aちゃんと喋りたいから」
塩分濃度の薄い水が零れた気がした。
「俺が、Aちゃんの生きる意味になりたい」
プロポーズ紛いの言葉が聞こえたとき、私は咄嗟に手すりを掴んでいた。
薄く零れた水は強風のお陰で乾ていて、見られる心配がないことに安堵した。
「.....ないなら、俺と一緒につくろう。生きる意味。」
「はい、」
そんなことを言われたら、私はこれからも屋上に来なきゃいけない。
でも、
死ぬよりは気分が良いかもしれない。
fin.
//
さすがに非現実すぎて私も困惑しています.....笑
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かえで(プロフ) - 影片りなさん» 了解でございます！ちゃんと書きますのでお待ちください◎！ (2021年2月17日 23時) (
レス) id: a1f09f2903 (このIDを非表示/違反報告)
影片りな(プロフ) - ゆっくりで大丈夫です。見取り図の盛山さんで彼女が風邪引いて盛山さんが看病する話が見たいです。宜しくお願いします。 (2021年2月17日 23時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 影片りなさん» 考えてあるお話が多いので遅くなってもよろしければお願い致します！ (2021年2月15日 18時) (レス) id: 90d3504a95 (このIDを非表示/違反報告)
影片りな(プロフ) - リクエストしても、いいでしょうか？ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みやべ | 作者ホームページ：mobile.twitter.com/miyave_uratsuku
作成日時：2021年2月6日 2時
