肌寒い冬、絶妙な距離感【Daiki.K】 ページ4
「かねちかさーん。」
「おはよー」
「おはようございます、今日収録同じですよね。涼太が言うたはりました。｣
「そうそう。あれ、今日涼太も出るっけ。」
「出ますよー。」
後輩の最近売れ始めてるコンビ、VillageのAちゃん。男女コンビで女の子がツッコミって珍しいなとも思ったけど、問題はそこじゃない。
「あっ！兼近さん、見て下さいよ。この排水溝、川西さんがサラのんを落としたとこですよ！」
「おー.....何が？」
この子、ツッコミの割に相当な天然、だと思う。
地面の隙間と俺を交互に見続けて、にっこり笑顔。
排水溝？サラノン？落とした？川西さん？は、和牛の川西さんだろうけど。
所謂四股とかう○こ座りとか呼ばれるヤンキー的なしゃがみ方で地面をジャリジャリと踏む。
これが天然っぽい女芸人だと思う人はいないだろう。
「あの、煙草です。前、ここらへんで川西さんと会うたことがあったんですけど。ここ通った時、川西さんが『ここにサラのん落としてもうてん！』って言うて、かーって笑ってはりました。」
「いっこ聞いてもいい？」
「はい！」
「サラノンて何？銘柄かなんか？」
「ああ、
「へえ、おもれえ。」
Aちゃんはいつも冬になるとマフラーをして出勤(？)してる。
今日も、水色のパーカーにダッフルコートを着て、タイツ履いてブーツ履いてマフラーしてきてる。
相当寒がりなんだろな。俺は道民だからそんなことほとんどなしなしのなしなんだけど。
「兼近さあん、」
「ん？」
「今日、肌寒いっすね。」
横で満面の笑み、屈託のない笑顔といわれるものを顔に貼り付けて目尻に皺を寄せている後輩。
そして、急に言われた意味のある言葉。
天然のAちゃんも、ツッコミのAちゃんも。
水色のパーカーのAちゃんも、舞台衣装のAちゃんも。
その言葉の意味なんて、知らないでしょ。
俺はAちゃんの手を握って、ポケットに入れてあげた。
｢.....え？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かえで(プロフ) - 影片りなさん» 了解でございます！ちゃんと書きますのでお待ちください◎！ (2021年2月17日 23時) (
レス) id: a1f09f2903 (このIDを非表示/違反報告)
影片りな(プロフ) - ゆっくりで大丈夫です。見取り図の盛山さんで彼女が風邪引いて盛山さんが看病する話が見たいです。宜しくお願いします。 (2021年2月17日 23時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - 影片りなさん» 考えてあるお話が多いので遅くなってもよろしければお願い致します！ (2021年2月15日 18時) (レス) id: 90d3504a95 (このIDを非表示/違反報告)
影片りな(プロフ) - リクエストしても、いいでしょうか？ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みやべ | 作者ホームページ：mobile.twitter.com/miyave_uratsuku
作成日時：2021年2月6日 2時
