声優オタクの声優さん ぱーと8

憧れの人 ページ49

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無事に全てが終了。

何となく実川さんが気になってまたチラリと見ると、
大御所の先輩に話しかけられている。



帰りの支度をしつつ耳はしっかりとそちらに向いていた。

聞こえてきたのはお褒めの声。
そりゃあそうでしょ。

男顔負けのお芝居をしたんだもの。




「Aちゃんまた一段と響く声になったなぁ！」


「そんな…、まだまだです。目標は内海賢二社長ですから」


「でっかく言ったなぁ。あっはっはっはっ！」




内海賢二さんといえば知らない人はいない超大御所。
そしてとてつもなくカッコ良い。


同性の俺でもあぁはなれないと思っているのに、異性である実川さんは内海さんのようになりたいと。




言葉だけならなんて無謀で無茶なんだと思うけれど、彼女ならそれをやってしまうんじゃないだろうか。


それくらい彼女は才能がある。
まだまだペーペーの俺が何を言っているんだって感じだけれど。



そしてそれと同時に高い目標を持って折れることなく突き進む彼女に憧れを抱いた。



俺もそうなりたい。
そしていつか実川さんと名前のある役で共演したい。



だからこそ俺も頑張らないと。




あとはそうだな。実川さんと仲良くなりたいな。




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「なぁんてこともあったなぁ……」


「……なにが？」


「んー？Aちゃんと初めて会ったときのこと思い出してさ」


「特別なんか話したわけじゃなくない？？」


「Aちゃんの印象とかそういうのだよ〜」


「…………」


「初めて会ったときさ！すんごいおしとやかだなって思ったの！」


「それ今はおしとやかじゃないって言ってるやつじゃん……！」


「今は元気で明るくて一緒にいて楽しい俺のお姉ちゃんだよ！！！」


「もうそれはいいから………」




昔のAちゃんも好きだけど、やっぱり俺は今のAちゃんが好き。

俺の事を弟みたいに可愛がってくれて相談にも乗ってくれてとっても頼りになるカッコイイ先輩。



あの時目標にしてた名前のある役での共演。
時間はかかってしまったけど数年前に達成出来た。


そして今度の夢は。




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「子ども産まれたら俺にも抱っこさせてよ？」


「きーくんより後になるけどいいよ」


「んーそれは仕方ないかぁ………」




大好きな二人の先輩の子どもを抱っこすること！




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