声優オタクの声優さん ぱーと7

おこちゃま扱い ページ14

.




「なんか最近隈酷くない？」


「……………熊？」


「違ぇよ！目の周りの隈だよ！！」


「うそっ………、また老けた………」


「ちゃんと休んでんの？」


「…うん」


「あ、嘘ついた」


「だってさぁ！！？」




アフレコの休憩中前野に絡まれた。
適当に誤魔化したけど普通にバレたし。
これが付き合いの長さか。なら柿原にも余裕でバレるだろうなぁ。


とりあえず仕事が詰め詰めで今のとこ休みがほとんどないと伝えたらさっきよりも語感強めで注意を受けた。




「調整してないじゃん。ちゃんと休み確保しなよ」


「これでもしてるんだって！いろいろズラしたりしてんの！調整前寝る時間無いんじゃない？ってくらいの過密スケジュールだったんだから！！！」


「………うちの事務所くる？」


「行きません！！！私は死ぬまで賢プロなの！！！」


「でもそれ相談してもっと減らさないとやばいと思うけど。また身体壊すぞ」




前野は私のことをいくつだと思ってるんだろうか。
まさかとは思うけど小さな子どもだと思ってんのかな？
36のおばさんですけど？立派な大人なんですけど？


とまあ少々けんか腰になってしまったけど少し無理をしているのは事実だ。

何日か前に1日休みがあったけど、その日は結局急遽打ち合わせが入って仕事してたし。




「紀章さんはなんて？」


「無理しないでねって。あと最近は一緒にご飯食べれてなくて寂しいって言ってた」


「お前もでしょ。素直になんなよ」


「だからごめんねが口癖になっちゃってる。2人でゆっくり出来るのが寝る時間だけだからさ」


「…………かっきーに報告な」


「なんで！？ダメだよ絶対！！！！怒られる！！！」


「一回怒られろ。そして休め。紀章さんと一緒に遊んで来い」




そんじゃ、かっきーと紀章さんに連絡しとくわと言い残して自分の席に戻った。

言わなくていいと言いたかったけどタイミング悪く休憩が終了。


そのまま本番がスタートして伝える暇はなかった。




ちなみに。



アフレコ後に再度伝えようとした時にはもう前野はスタジオを出ていて、呼び止めることが出来なかった。


結果としてその日の夜柿原から電話があってしこたま怒られたし、きーくんはきーくんで事務所に掛け合って3連休をもぎ取ってきた。




.

【番外編】Twitter→←甘い子守唄

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す