褒めると伸びる ページ16
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「実川ー!!!」
「ごふっ……」
アフレコの休憩中に台本を眺めていると、後ろからエグい衝撃が。
嫁入り前の女の子になんてことするんだ。
正体はまあ予想通り柿原で。
というかこういう事するのは柿原かマモしかいない。
「なにさ……もっと私を気遣えよ……」
「は?何言ってんの?」
「お前ほんとそういうところだぞ」
「んなことどうでもいい!」いやいや良くない。
私女だから。筋トレしてるヤツに突進されたら怪我するかもしれないじゃん。
あ、それは言い過ぎか。
「お前この前紀章さんとサシ飲み行ってたじゃん!」
「あー、行ったねー。完全に不可抗力だったけど」
「で?どうだった?」
「どうだったってなにが?」
「だから会話ちゃんと出来たかって聞いてんの。
お前誰か一緒でも会話できねーじゃん」
「一応それなりには。
既にお酒入ってたからいつもより会話出来た。
なんなら紀章さんの自宅に誘われた」
「マジか!やればできるじゃん!」
「待って柿原なんで褒めてんの?」
「だって15年経って漸くまともに話せるようになったんだぞ?
しかもいきなりサシで。褒めるしかねーじゃん!」
「え、じゃあ飲み行こ。んで奢って」
「いいよ」
「マジで!?」
「その代わり今度はシラフでもちゃんと会話出来るようになれよ?」
「前野よりハードル高いけど、今ならいける気がする……」
「俺が褒めてやったんだからやれよ」
なんだろう。いつもと変わらないくらい鬼畜なハードルなはずなのに、今なら余裕でいけそう………
これがあれか。褒めると伸びるっていうあれか。
特にいつも褒めない柿原に褒められたから余計にいける気がしてる。
……よし。お酒のために頑張ろ。
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「んねー羽多野くん?」
「どうしたんですか?」
「Aちゃんって褒めると伸びるタイプなんだな」
「あぁーらしいですね。よく自分で言ってますよ?」
「へぇー!いい事聞いた。
今度サシで行く時褒めちぎってあげよーかな」
(Aちゃん………頑張れ……)
まさか紀章さんが遠くから見てるとは思ってなくて。
後で羽多野くんに聞いて飛び上がってしまった………。
と、とにかく!!
もっと紀章さんとお話出来るようにならなければ……!
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七巳流 - キーヤァーん (2022年7月13日 19時) (レス) @page2 id: 366f1c99c5 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - おもしろ度の投票なんで一回だけなんだろう。毎回読む度に面白いんだけど(笑) (2019年9月18日 20時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
ミックーリ(プロフ) - 朔さん» はじめまして!これからもっとニヤニヤする展開を考えてるのでもっとニヤニヤしてください!笑(?) (2019年9月15日 17時) (レス) id: 2958225488 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 初めまして〜ニヤニヤしながら一気に読んじゃいました!これからの絡みが楽しみです。Twitterはニヤニヤしましたw更新楽しみにしてます! (2019年9月7日 2時) (レス) id: d99f80bc4c (このIDを非表示/違反報告)
ミックーリ(プロフ) - shinox2さん» Twitterは笑ってもらえるような展開にするよう心がけているので、そう言っていただけるとすごく嬉しいです!ありがとうございます(^^) (2019年8月26日 16時) (レス) id: 2958225488 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミックーリ | 作成日時:2019年7月23日 17時