検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:39,673 hit

5 ページ5

岸くんのファンであることも、

例のお蕎麦さんに通っていたことも、

きっちりと昇華し、私は仕事に励んでいた。









近所に違う、お気に入りの蕎麦屋さんが出来た。






昼間から並び、


カウンターでかけ蕎麦を啜っていた。









すると隣の席の若い男の人に、前を横切るようにして、

水の入ったピッチャーに手を伸ばされた。









「さーせん、」







っ、







さり気なく聞こえたその声に、思わず二度見した。









「………」









それはどこからどう見ても、




かつて憧れた、その人だった。









「……あ、握手っすか?どーぞ」



「っ、」









あまりに固まってしまっていたためか、躊躇いもなく手を伸ばされる。









「…………あ、ありがとうございます、」






ファンでい続けることを諦めたからか、


冷静な気分で握手だけしてもらう。









一方で、蕎麦を啜る傍ら、









「……そう言えばファン辞めちゃったんですね」









「………」









「最近ライブに来ないなーってずっと思ってました」








「え…………」









目も見ずに、ただ箸を口に運びながら。








「………」







帰り際、岸くんはあることを言い残した。









「……もしまだ俺に少しは興味持ってくれるんなら、明日オフなんで、夜9時に"例の場所"、来てください」

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (178 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
322人がお気に入り
設定タグ:岸優太 , 蕎麦
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さくら - とても良い作品でした。自然と物語の最後には涙があふれてきました。突然ですが、続編の方を見たく、検索してみましたが見つからず、どのようにしたら見られますか? (2018年12月15日 16時) (レス) id: 0ab5784288 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2018年7月20日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。