悪戯

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それから私達は3人で飲みに行くことが増えた。


「おーいきーしぃ！」
「はい！どしました？Aさん！」
「あんたは彼女つくんないの」
「うわぁ、でたよめんどくさいA」
「え、なになに、紫耀くん、これ酔ってるの？」
「今日仕事で怒られてたからなぁ、それやろな」


酔ってないわ！て抗議して、ていうか答えなさいよって岸を睨みつける。


「いや、ええ……」



なんて言いながら中々私の質問に答えない岸を紫耀がうはー！て手を叩いて笑ってる。

そんな紫耀に「おいやめろよー！」て文句を言う岸。意味がわかんないなんのやり取りよ。



「隠し事するんだ、へえ」
「え！や！隠し事ってゆうか、その、え！」
「岸くん、彼女いるの？て聞かれてるだけで、別に好きな人いるの？て質問じゃないんだから答えてええよ」
「あ、そか！彼女はいないっす」
「ふうん」



自分で聞いておきながら興味なしといった返事をした私に「えっ」て声を出す岸。



「Aさんはいるんすか？」
「ん？わたし？」



ゴクリと生唾を飲む岸と「おお！」とかニヤニヤしてる紫耀。ほんとさっきからなんなのこのふたり。



「いるー！私の好きな人はしょおー！」
「え？俺？あ、俺もAすきー！顔以外はー！」
「は？ころす」



オラー！て紫耀の首を締めるふりをしたらころされるぅー！てけたけた笑う。


少しだけ気まずそうな顔をしてる岸に「岸ちゃんどした？」て声をかけたら「……ほんとに付き合ってないんすか？」て俯きがちに聞いてくる。



「わたしと？だれが？」
「紫耀くんにきまってるじゃないっすか！」
「マジで言ってる？」


岸のその台詞に紫耀がブフーって吹いてる。
口を抑えて吹いてる。



「おい、流石に笑いすぎ」
「ごめん、しぬ、ごめん、ぶは、」


ヒィヒィと腹を抱えて笑う紫耀を二、三発ぶん殴ってみた。



「まあ、この通り、ありえないのよ」


そう私が言うと



「そうそう、Aはね、ありえない、俺ちゃんと女の子が好きやもん！」


いつもみたいにふざける紫耀の言葉を制したのは岸。



「Aさんは、女の子だよ」
「…え？」
「可愛くて、綺麗で、おもしろくて、優しくて、全く接点なかった俺にでも優しくしてくれる俺のだい、」


と、そこまで言いかけて一気に顔が赤くなる、目の前の岸。


「や、今の、なしで、ほんと、」

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