偽りごっこ。___SB(M.A.G.I.C)

26 ページ26

岩橋side









バカじゃないの…、、


バカじゃないの…、









岩橋「神宮寺のバカ……」







飛び出してから15分近く






自販機の前を行ったり来たり…








ドンッ







岩橋「あっ…すいませ…」




『玄樹くん…！』





ギュッ




岩橋「えっ…？」





『さっき楽屋からでてくの見えて…心配した…っ』






嬉しい





なんてつい思ってしまった









『ごめんね…ごめん、私のせいで…喧嘩したよね…』






どうして







どうして彼女は







こんなにも優しいんだろう





岩橋「Aちゃんのせいじゃないよ」






そうだ



べつにAちゃんが悪いわけじゃないんだ



神宮寺が…いけないんだよ









岩橋「泣いた？」





『えっ…？あ、…いや』








少し離れた時に見えた泣きあと









そして少し焦るAちゃん









岩橋「神宮寺…？」




『……ちがうよ』






ううん、




間が空くのはたぶん、事実だからだよね









岩橋「ねぇ…神宮寺のこと好き？」





『えっ…？……ううん、そんなんじゃないよ』






岩橋「ねぇ、俺はAちゃんが好きだよ」






『えっ、うそ…』





岩橋「嘘なんかじゃないよ、本当に」









『…嬉しい』






『…でも、、、』





岩橋「神宮寺？」






『…………』






なにも言わず下を向くAちゃん








岩橋「神宮寺なんか忘れてよ」






岩橋「神宮寺なんか消してあげる」









だから笑ってよ







『…でも…親友なんでしょ？』








もしも







神宮寺が消えたら






君は俺のことを見てくれますか？









岩橋「Aちゃんが笑うなら俺は大丈夫」






『玄樹くん…ってそんな人だったんだね』






え？





きらわれた…？







『カッコいいよ…』







そうニコって笑うなら








俺はこの身をも差し出すよ









昔聞いた、







男は女で変わるって





そこ通りだね







でも、









好きだから





俺の目の前でだけ笑ってれるなら









それだけで俺はいいから

27→←25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す