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「…岸くん、元気出しなって……」
『なんか、もう、泣きそう……』
「泣きそうってか、もう泣いてんじゃん…
辛かったね、よしよし
ほら、好きなの頼みなよ。コークハイにする？」
子どもじゃないんだからやめろよ
…とつっこむ気力さえ残っていなくて
『コークハイにする…』
と素直に神宮寺にあやされるまま
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『今日さ…Aの誕生日なんだよ……
今日でA、21になるんだよ……
そんな日に…なにが嬉しくて俺は神宮寺と二人で呑んでんだよ……』
「わかったわかった」
「この話もう１０回くらい聞いたからねー岸くん」
「すいません、コークハイおかわり」
『今日の朝さ、迷ったけどメールしたんだよ。誕生日おめでとうって。
当たり前だけど返ってこなくてさ…
去年まで俺が一番におめでとうって言って…
デートしてたのになあって…』
「わかるよ、わかる。
でもAちゃんだって、返さなかったのは意地張ってるだけで、本当は嬉しかったと思うよ？
こんだけ喧嘩してても振らないのは、まだ岸くんのこと好きだからじゃないの？」
『あんだけ突き放されたらフラれたも同然だろ…』
『俺はね、俺は…Aが好きなんだよ……
もう、何て言うか愛してるんだよ…
三年も付き合ってるから、前みたいにイチャイチャしたりはしねーけどさあ…
でもお互いなにも言わなくてもわかるっていうかさ…
すでに熟年夫婦みたいな距離感が心地よくてさ…
卒業して働きだして、俺がある程度稼げるようになったら結婚するんだろうな、とかさ…考えてたわけよ、俺は。
なのにさー…呆気ないよなー……本当…』
「岸くん、
それをAちゃんに伝えたら仲直りできるんじゃないの？」
『ん……？
……なんだよおー……じんちゃーん……』
「まだAちゃんに伝えられてないこと、あるでしょ？」
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作者名：ﾒﾛﾝﾊﾟﾝﾅ | 作成日時：2016年6月13日 17時
