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ハッと目が覚める。
働かない頭でベッドサイドの時計を掴むと時間は午前4時。
隣の猫ちゃんはすやすやと寝息を立てている。
二度寝する気にもなれず、Aを起こさないようにそっとベッドを出てリビングのソファに腰掛ける。
五「あ〜……だる。」
8時になれば高専に行かないといけないため、Aを置いていくことになる。
待って?別に高専に連れて行っちゃいけない決まりとかないよね?なんかそういうデータとかあるんですか?((((
あーでも、世間から見ればAは超希少価値の高い獣人だしな…特大のダイヤモンドを掲げながら歩くの以上に危険。
五「考えても無駄か。朝ごはん作ろーっと。」
今日のメニューはトーストとハム、あとミニトマトね。
朝は箸を使わなくても済むメニューにしてあげないとね。
ぼーっとしながらトマトを洗って時計を見ると午前6:30。
そろそろAを起こすか、なんて寝室に向かう。
五「A、朝だよ。ご飯食べようね。」
相変わらずすやすや眠るAの肩を少し揺らす。
『ん……ンン……』
身をよじって僕から逃げるように布団に潜る。
あぁほんと可愛いな。このままずっと眺めていられたら最高なんだけどな。
五「ほらA、朝ごはんだけでも食べないと。8時には家出るからね。」
そう伝えるとまだ目は閉じたままだけれど、よろよろと布団から出てくる。
五「おはよう僕の猫ちゃん。」
そう言い、頬にキスをすると
『おはよぉございます』
とふにゃっと笑う。
五「はい、めしあがれ。」
『いただきます』
お箸、フォーク類は用意しなかった。
いずれは使えるように練習するけど、朝は寝起きで頭働いていないだろうから無理強いは良くない。
僕の向かいで寝癖がついたまま、もそもそとトーストを食べる姿はもはや子育て中なんじゃないかと錯覚するほど愛おしい。
五「食べられそう?」
『はい。美味しいです。』
まだまだ距離感はあるけど、少しは心を開いてくれたようだ。
さて、Aを高専に連れていくべきか否か。
獣人が1人で歩いてるわけが無い。
要するに初めてあったあの日、Aは誰かから逃げてきたと推測するのが最適解だ。
となれば、追っ手側も超希少な商品をただの生身ひとつで置いとくなんて到底ありえない。
Aが身につけていた服、首輪、装飾品、それら全てはあの夜燃やした。
GPSとか着いてたら困るしね。
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ピ(プロフ) - にゃんこさん» ヒェッッ…!!嬉しいです頑張ります…!!! (2022年4月22日 16時) (レス) id: c5f072110e (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - こんにちはです。にゃんこと申します。凄く何回読みました。続編楽しみにしています。 (2022年4月22日 11時) (レス) @page27 id: 6ded8b9e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピ | 作成日時:2022年4月1日 23時