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・
五「…お刺身でいい？」
おっ、お刺身……?!
僕の大好物…!!!
『…ｯｯはい！』
なるべく悟られないようにいつも通りに返事をする。
ちょっと声がうわずっちゃったけど。
五「はい、どうぞ。」
テーブルに出されるお刺身……とお箸。
僕は生まれてこのかたお箸を使ったことがない。
だっていつも手だったから。
人間が使ってるのは見たことあるけど上手に使えるかな…。
『い、いただきます。』
ミスしないように祈りながら箸を持つ。
〜〜〜〜ｯｯ……難しい……。
向かいに座る人間をちらっと見ると人間は厳しい顔でこっちを見ていた。
きっと箸も使えない僕に呆れたんだろう
『ごっ、ごめんなさい……。』
どうしよう。どうしたら許してもらえるだろうか……。
焦れば焦るほど箸は上手く持てず、ついにお刺身と一緒に床に落としてしまった。
『ごめんなさい…ｯｯ!!!本当にごめんなさい!!』
必死に下を向いて謝る。
・
僕が出したお刺身をキラキラの目で眺めていたA。
でもお箸は苦手なようで上手く掴めず苦戦している。
『ごっ、ごめんなさい……。』
半泣きで謝る。
「大丈夫だよ。ゆっくりね。」
そう声をかけるが聞こえていないようだ。
見た感じ歳は中学生くらいだけど、不器用な素振りから今までまともな扱いを受けてこなかったことが伺える。
異常なまでの謝り方もきっとその影響だろう。
心の底から黒い感情が湧き出てくる。
呪術界も国でさえも、上は全て腐っているのだろうか。
『ごめんなさい…ｯｯ!!!本当にごめんなさい!!』
Aの謝る声でハッとする。
どうやら刺身と箸を落としてしまったらしい。
五「A、いいんだよ。大丈夫。まだいくらでもあるから。それに箸は洗えば何度だって仕える。」
『でも……ｯごめんなさい。箸も使えなくてごめんなさい…!!』
何が彼をそこまで追い詰めるのだろうか。
いや、きっとこれが彼にとって当たり前だったんだろう。
精一杯の優しい声で伝える。
五「A。お箸なんて一緒に練習すればいい。これからたくさん新しいことを学ぼうね。」
そう言うと、少し落ち着いて頷く。
良かった…。あ、良いこと思いついた。
五「A、僕が食べさせてあげるよ。」
『……え？』
五「僕の隣においで。」
『……？わかりました…。』
少し不思議そうな顔しながらちょこんと僕の隣椅子に座る。
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ﾋﾟ(プロフ) - にゃんこさん» ﾋｪｯｯ…!!嬉しいです頑張ります…!!! (2022年4月22日 16時) (
レス) id: c5f072110e (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - こんにちはです。にゃんこと申します。凄く何回読みました。続編楽しみにしています。 (2022年4月22日 11時) (レス) @page27 id: 6ded8b9e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟ | 作成日時：2022年4月1日 23時
