出来事3 ページ4
「でもこれ決定事項だから。拒否権はないよ」
「煩い。何でオレが…!」
メイドとか…やっと自由に依頼受けて自由に殺しが出来たのに。
また自由じゃなくなるの? そんなの嫌に決まってるじゃんか。
「お前等を殺してでもこの屋敷から出てやる」
“殺戮魔の贄”
念を込めた鉤爪が赤黒いオーラを纏う。
暗殺者スイッチが入ったオレはイルミの背後を取り斬りつけるが間一髪のところで避けられる。
無表情で避けられ、闇に吸い込まれそうなほど暗い目で見据えられる。
「ちっ…蛇の…──」
「よっと」
「……はい?」
念を使おうとしたそのとき、銀色の髪の男の子に何かを首につけられた。
ジャラッと音がした方を見ると鎖。
鎖はオレの首に付いている…首輪に繋がっていた。
「ごめん。兄貴の無言の圧力には適わなかった」
銀色の髪の男の子は申し訳なさそうにいうとそそくさと鎖を柱に固定したって…オイッ!
「オレは犬でも猫でもない人間だって! ちょっと、聞いてるのか!? って、え? あの、ちょ、メイド服もってこっち来ないで下さい怖い…怖いから! ちょ、待っ!!」
「さぁ、着替えましょうか! キル達は向こうの部屋に行っててちょうだいな」
「待てってぇぇえええ!!」
イルミの母親が彼らを部屋の外に移動させ、叫び声は虚しくも届かず結局メイド服に着替えさせられたオレだった。
スカート短い…。鬼だ…鬼としか言えない。
*
「クソ…」
この家に常識人はいないのかよ…いや、銀色の髪の男の子は謝ってくれたし許そう。
首輪は外してもらえただけ良いとして、オレの着ていた服はどっかやられた。
「なんとか脱出しよう…」
「それは俺がさせないから安心して」
「安心するか! って…アンタさぁ、なんでオレを拉致ったワケ。そんなに専属メイド欲しかったのかよ」
背後にいたイルミを睨み付けながら問いかけると、コイツは無表情のままサラッと答えた。
「いや? 婚約者に丁度いいと思ったから。暗殺能力とか念能力とか高いし。まぁ、今はメイド頑張ってよ。婚約の件は俺から母さんにいつか話しとくから」
……いや、色々ツッコミ所多すぎて追いつけないんだけど。
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ユウ(プロフ) - これからどうなるか楽しみです、更新頑張ってください。 (2016年7月30日 4時) (レス) id: cb3c3b9b5b (このIDを非表示/違反報告)
らいむぎ - 強引なイルミ様も素敵ですね(末期患者) 面白いです!更新応援しています! (2016年7月19日 20時) (レス) id: d7e127b604 (このIDを非表示/違反報告)
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