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・越えようか二人で ページ24





まったくこれの何処がアンドロイドだ。


私に抱き着いて「ううっ」と悔しがるサクマの頭を撫でながら、その人間らしさに思わず笑ってしまった。




「酷いでやんす」

「うぇ?」

「Aには心がないな! こんなにサクマは悲しんでるのに笑うなんて!」

「いや、そうじゃなくて」





どうしよ、サクマを怒らせた?

不安になって少しだけ身体を離すと、サクマはするりと抜け出してトンっと軽く私の両肩を押した。


ふらっと背後に倒れる身体。



まだちょっと濡れた身体にフローリングはちょっと気持ち悪い。




「サクマ」

「サクマの気持ちわかってくれないAにはお仕置が必要だよね?」



私の上に跨ったサクマの両手が顔の横に置かれて、見上げた先にあるのはニヤリと口角を上げたサクマの顔。



え? え?


「A、そんな格好で男の前に出てくるのはね襲って下さいって言ってるようなものだよ」

「えっと、いや待って! だってサクマが叫ぶからっ、気になってっ」

「ふんふん、そっかあ。サクマを心配してくれたんだね? それはありがとー」

「うんうん」



じゃあ退いて?

あれれ? さらにニヤニヤしてるけど、これどうしたらいいの?



「てことはだ、Aはこんな裸も同然な格好で飛んで来ちゃうほどサクマが好きなんだよね?」

「え?」



そういえば今の私はバスタオル一枚を身体に巻き付けただけの、とても際どい姿だ。


でもだからといって、何故そこ=好きになる!









「にゃはは! そろそろサクマと一線越えちゃおっか」



は、一線?



ゆっくりと下りてくる綺麗な顔。


伏せられた長い睫毛を見つめていると、サクマは頭を傾けて半開きの私の唇にキスをした。


あまりにもスムーズで、ポカーンとしていたら更にもう一度チュッと音を立てる。








「……サクマの唇ってほんと柔らかいね」

「うふ、そりゃあね。人の皮膚細胞を使ってできる限り人に…」

「ああうん、その話はいいの」





ムード作りはまだ苦手なのかな?







「ね、サクマに抱かれてみない?」

「……やだ。だってサクマは」

「サクマはサクマだよ」



頬に触れる手に驚いた。



「暖かい?」


サクマの手というか、身体にこれまで温もりを感じたことがなかったのに、ここに来て急な温もり。


クスッと意味ありげに微笑んだサクマは言う。




「抱き合う時は、相手の体温に反応するんだよ」





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☆ゆきんこ☆(プロフ) - tbmrrkqq8さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただいてるなら頑張って書きます!!ほんとこちらは空想の中の物語として楽しんでもらえたら良いなって思います。後編も読んでもらえるように頑張ります☆ (2020年10月14日 23時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
tbmrrkqq8(プロフ) - 続き気になります!!いつも更新楽しみにしてます!お話の内容は現実世界から離れているのに引き込まれてしまいました。これからも応援してます (2020年10月14日 20時) (レス) id: 0465c5231f (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!!アンドロイドと特殊なのでどうかなと不安なとこもあったので嬉しいです!!やっていた事を止めてまで読んで下さってる!?それは頑張って更新しなきゃですね!!頑張ります(^^) (2020年10月8日 19時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆきんこさんの作品、どれも大好きですが、今回のは特に刺さりました…もう毎日の楽しみで更新されるたびに、それまでしてたこと手を止めて世界に浸ってしまい好きです!これからも応援しています。 (2020年10月7日 17時) (レス) id: b899b04b91 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - まりんさん» まりんさん!コメント有難うございます!!あんな暖かそうな人を冷たい機械にしてしまったんですけど、少しずつ佐久間さんらしくなっていくのでそこを楽しんでもらえたらなと思ってます(^^)私も読んでもらえて幸せです!! (2020年10月7日 13時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月5日 21時

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