・2 ページ15
・
お腹が空いた私に付き合ってファミレスに付き合ってくれたサクマ。
「サクマは食べなくても平気なんだっけ?」
「うん、そうだよ。だからAの分だけ注文してね」
家族連れやカップルで賑わう店内、みんなで美味しいねって語らいながら食事をするこの店で、サクマだけが何も食べないってかなり浮きそう。
「ねえ、食べることもできる?」
目立つ事が嫌なんじゃない。
どうせなら誰かと一緒に食べる方が楽しいからだ。
「できるよ。胃のところで消火されるんだよ」
「消化されるの?」
「うふ、多分漢字が違うと思うー。あんねここに小さいけど焼却炉みたいな機能があってね」
「あーうん、つまり食べられるんだね?」
「うん!」
「だったらサクマも食べたいもの頼も!」
アンドロイドのことは知りたい。というかサクマと一緒に居るからこそ知らなきゃいけないんだけど、人間らしさのない話はあまり聞きたくないような気もして。
ただ食べ物を口にできるというのは有り難い。
「じゃあ、オムライスで」
「はっ! サクマも!サクマもそれ!!」
「サクマもオムライスでいいの?」
「うん!」
何故かすごく目が爛々としていて、店員さんまで可笑しくて笑いを耐える始末。
どうぞ遠慮なく笑ってあげてください。
暫く待って二人分のオムライスが運ばれてきて、待てをされてる犬みたいに鼻を突き出してソワソワしてる。
ほんとに犬にでもなる気じゃない?
女にもなれるんだし。
「………」
目の前に置かれたオムライスを見たサクマのテンションが一気に下がる。
運んで来てくれた店員さんはさっき注文をとってくれたお姉さんで、そのお姉さんまで気にしちゃうくらいあからさまに落ち込んでる。
「ど、どうしたの?」
「ハートがないよ」
「「え?」」
「「あっ、」」
どうしよ、お姉さんとお友達になれるかも。(笑)
コテンと小首を傾げて、オムライスを指さしたサクマは黄色の卵の上に指でハートを描いた。
「こうして、ケチャップでハート」
「ああ! それは家でやったり、例えばメイド喫茶とかならやってるかも?」
まさかそれを期待してオムライス?
「そうなの? ふうん、そっか」
プクッと白い頬っぺが膨らんで不服を訴えていらっしゃる。
.
948人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - tbmrrkqq8さん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただいてるなら頑張って書きます!!ほんとこちらは空想の中の物語として楽しんでもらえたら良いなって思います。後編も読んでもらえるように頑張ります☆ (2020年10月14日 23時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
tbmrrkqq8(プロフ) - 続き気になります!!いつも更新楽しみにしてます!お話の内容は現実世界から離れているのに引き込まれてしまいました。これからも応援してます (2020年10月14日 20時) (レス) id: 0465c5231f (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - 苺さん» ありがとうございます!!アンドロイドと特殊なのでどうかなと不安なとこもあったので嬉しいです!!やっていた事を止めてまで読んで下さってる!?それは頑張って更新しなきゃですね!!頑張ります(^^) (2020年10月8日 19時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - ゆきんこさんの作品、どれも大好きですが、今回のは特に刺さりました…もう毎日の楽しみで更新されるたびに、それまでしてたこと手を止めて世界に浸ってしまい好きです!これからも応援しています。 (2020年10月7日 17時) (レス) id: b899b04b91 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - まりんさん» まりんさん!コメント有難うございます!!あんな暖かそうな人を冷たい機械にしてしまったんですけど、少しずつ佐久間さんらしくなっていくのでそこを楽しんでもらえたらなと思ってます(^^)私も読んでもらえて幸せです!! (2020年10月7日 13時) (レス) id: e8f02d2b5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月5日 21時