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『この場合、先生に相談した方がいいんじゃ…?』
『あと3時間くらいで戻るらしいから大丈夫だよ』
『だったら弟と一緒にいた方がいいんじゃないのか?』
『どうしても急用があってね、だからすぐ戻るよ』
「用事があるなら言ってもらえれば代わりに行ったのに…」
「周りに迷惑かけたくないんだってさ」
「Aちゃんらしい…」
これはうまく騙せているのでは?
私もエドも演技上手いなー…、あとレナトスいい加減にクスクス笑うのやめてくれない??
「A、何をしている」
「!」
「げっ」
自分たちの演技に自画自賛していたらオーターがやってきた。
…これはマズイ、非常にマズイ。
正直オーター相手に騙し通せる自信がない。
そう思いながらもエドワードとしての演技を続ける。
「オレはエドワード。今姉さんと中身が入れ替わってるから姉さんはあっち」
そう言ってレモンたちと話しているエドを指す。
「ほぅ…」
「…なんだよ」
じっとオーターに見つめられ冷や汗が流れ始める。
え?これバレてる?バレてるの!?
確かエドってオーターに対しては大佐と同じような態度だったよな…?
「…本当にお前はエドワードなんだな」
「そう言ってんだろ!!!」
そう言うとばっと手を掴まれた。
「ならば手を貸せ。行くぞ」
「ちょっ」
「おーいってらー」
手を引っ張られながらオーターに連れて行かれたのは研究室だった。
部屋の中心には謎の壁が聳え立っている。
「あの壁を崩せ」
「ちっ…しょうがねぇな…」
エドっぽく(?)返事をしながらも錬金術を駆使して壁を崩す。
「…やはりな」
「は?」
「お前はエドワードでは無いな」
「はぁ!?何言って…」
「元々入れ替わりは嘘だな」
「何を根、拠……に………!」
「気づいたか」
さっきの壁を崩す時に、何も考えずに超電磁砲を使った。
もしも中身がエドならば分解するか、武器を錬成して壊した方がソレっぽいのに。
「…最初から気づいてたの?」
「エドワードならもっと噛み付いて来るからな」
…エドって普段オーターとどんなやり取りしてんのさ…。
結局オーター以外は騙し通せたのだが、全てを知ったオーターには鼻で笑われた。
「そもそも私がAを間違えるはずがないだろう」
「えっ」
─
2023.7.22
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作者名:雹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時:2023年7月16日 22時