雷使いとシスコン ページ4
「A、いつもはアンナの話を聞かせるだけだが、偶にはお前の兄弟の話も聞いてやろう」
「え、兄弟…？」
いつもの如く、ランスの妹語りに付き合っていたら、めちゃくちゃ上から目線でそう言われる。
改めて言われても特に人に話すような事は無いんだけど…
「ああ。
「うーん…私の兄弟ね…。とりあえず写真があった方が分かりやすいと思うからコレ見て」
とりあえず写真を見せながらの方が想像しやすいと思い銀時計を出す。
ランスの妹語りはいつもグッズ付きで語られる為、会った事ないのに顔見知り程度には詳しくなった。
「弟が二人いるんだな」
「うん、こっちの目つき悪いのが上の弟で、ニコニコ笑ってる方が下の弟だよ」
「上の弟はなんて言うかAにそっくりだな」
「よく言われる」
エドと私は父親似で、特に容姿が良く似ている。アルはどちらかと言うと母親似で、髪や瞳の色は同じだが雰囲気は母さんによく似ている。
「…この写真、随分前に撮ったんだな」
「うん。小さい頃のしか家族写真は無いんだ」
その言葉にランスは「悪い」と謝った。
何か察してくれたようだ。
母が亡くなり人体錬成をしてからは目が見えないこともあり写真を撮っていない。
正直この話をしてもいいが、そうなると他にも説明しなくてはいけないことが増えるので、出来るだけ避けたいので助かった。
「弟たちは今いくつなんだ？」
「エドが16でアルが15かな」
「え」
「うん？」
そう言えばエドはランスたちと同い年だな。
「…年子か？」
「？エドは２つ下でアルは私と３つ離れてるけど…？」
「…お前、年上だったのか！？」
「え！？」
知らなかったのかー。
そう言えば年齢の話はした事が無いし、魔法に関する知識はない為一年生の授業を受けたりしていたから知らなかったのか…。
珍しく驚くランスに、今まで通り接してよ、と言うと当たり前だと返された。
それはそれでどうなのだろうか…。
それから、ランスの質問に答える形で弟たちの話をしていたら背後からガシャンと音が聞こえた。
「なっ…」
振り向くとドットが持っていたカップを落としたようだ。
「何でスカシピアスがAちゃんと居るんだ！？」
「何って兄妹語りをしていただけだが？」
「あん？」
ドットがランスの言い合いがはじまりお開きとなった。
─
2023.07.17
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作者名：雹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Haku_SHS/
作成日時：2023年7月16日 22時
