生活費をもらいます。 ページ15
もう5人も…
横「いや、Aちゃんダメでしょ」
フワフワした雰囲気の中飛んできた渉さんの現実的な言葉。
確かに、この人たちはジャニーズアイドルだ。
こっちがいくら仕事の気持ちで接していても問題があるに決まってる。
北「俺もダメだと思うよ」
北山さんがきちんと座り直してこっちを向く。
やっぱり、ダメだよな。
北「俺たちが男だから、ジャニーズだからって理由もある」
？
それ以外になにが…
北「まだAさん、若いだろ？ここで俺たちが住むことになったらどうなんの」
どうなるって…
え、まさか襲われ…ないか。
北「Aさんが俺らの面倒見るんだろ？」
A「はい」
北「それが良くない」
え？何が良くないの？
あ、まさか家事ができないダメ女だと思われてる？
北「若いのに、この家にこもって俺らの面倒見てさぁ。Aさんのやりたいこともできない」
私のやりたいこと？
北「そんな窮屈な生活をAさんにさせてまで、俺ここに住めないよ」
そういうこと…
私のこと考えて、言ってくれたんだ。
私のやりたいことをやってほしいって。
でも。
A「私はここに住んでほしいです」
A「私は特にやりたいことありません」
A「北山さんがそう思ってくれることはすごく嬉しいですが、やりたいことよりもいまはこれからの生活にすごく興味あります」
A「しかも、私は家事が結構好きです」
北「で、でも入りたい会社とかあるんじゃないの？」
A「そんなのないです。会社というもの自体に嫌悪感を抱いているくらいです」
…前勤めてた会社がブラックだったからな。
A「生活費さえもらえれば、私が皆さんの生活を支えます」
A「家賃なんてかからないですよ。日用品と食品を買うお金だけです」
A「だから、どうですか？」
何をこんなに必死になって住んでほしいと言っているのか。
自分でもよくわからないけど、この人たちと一緒ならすごい世界を見れる。
そんな勘が、働いたのかもしれない。
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作者名：苺パンダ | 作成日時：2020年3月12日 20時
