52話：ついに ページ9
静寂が続く。
あろまさんは何も言わず、ただ俯いていた。
あは、フラれ確定じゃないか。
はなから期待なんてしていなかった。
だって彼は今をときめく有名実況者集団の一人。
私みたいな一般人が、相手にされる訳ないって分かってたのに、ちょっと奇跡とか信じちゃったんだ。
虚しいなぁ。
貴「っ、ご、ごめんなさい！困らせる様なこと言っちゃって…突然迷惑ですよね！忘れて下さい！」
−−−−−−−ピトッ
左手に何かが触れる感触がした。
その感触には覚えがある、私を慰める時、甘えてくれる時、いつも決まって左手にピトッて触る。
「…にゃー、はにゃ…」
なんて言ってるかは分からないけど、何かをとても伝えたそうにしている。
でも告白した後に、その、キスするのはちょっと気まずいというか…。
するとあろまさんはあろうことか…
「…はにゃっ！」
そこから一世一代の特大ジャンプをかまし、
貴「うぇっ！？あろまさ…んっ！？」
私の唇に向かって飛んでそのままピタリと張り付いた。
いや、待って！そのままだと…
−−−−−−−ポヒュンッ
戻ってしまう…！あぁ、間に合わなかった…。
私は椅子に座っていたのであろまさんは私を覆う様な体制で元に戻ってしまった。これが壁ドンか(違う)。
てか…
貴「ん…んん、(あ、あろま先生…？)」
さっきから一向に離れようとしないし、そ、そろそろ酸欠になりそう…！
軽くあろまさんの胸をトントンと叩いて離れてほしい、息苦しいと合図を送る。
そこでやっと彼は唇を離してくれた。
私は名一杯空気を肺に送り込んだ。
顔の熱は全くと言って良いほど引かない。
貴「あ、あろまさん…なんで、キス、をそのまま続行しちゃったんですか…？私、期待しちゃいますよ？なんでですか…」
貴「…私、まだ、あろまさんのこと、好きでいても、っ、良いです…！？」
「か？」と続けようとした言葉は、あろまさんが私を抱き締めたことにより紡がれることはなかった。
心なしか、鼓動が早い。
あ「…れも、だよ…」
貴「…え？なんて…」
あ「っ、だから！俺も！…俺も、お前が、Aのことが大好きだっつってんだよ！！！」
その時の彼の顔は、恐らく私よりも真っ赤で、私よりも涙目だっただろう。
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寝ぇ猫♪ - 更新頑張って！！ (2017年4月3日 20時) (
レス) id: 308487bf5b (このIDを非表示/違反報告)
ふうら - ふあああああ！！ありがとうございます！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2016年11月7日 21時) (レス) id: b93fb00f4a (このIDを非表示/違反報告)
りれ@シルク君好き - 更新頑張って下さい！ ^^) _旦~~ (2016年8月24日 20時) (レス) id: 0703accaf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉ねぎ | 作成日時：2016年8月11日 10時
